このメイドさんは、ピピ様の食べ物やおやつも買いに出かけます。
スーパーマーケットには、かわいいモデル犬たちの写真を使ったカラフルなパッケージの品々が、たくさん並んでいました。
でも、わたしは時々、そんな陽気であかるい風景の中でぞっとしました。
「ビーフ」「チキン」「シチュー」・・・・
もし、ピピが・・・・
わたしは、想像します。
もしピピが、このウシやニワトリたちと、生きていた時に会ったとしたら。
きっとピピは、なんとかしてかれらと友だちになろうとするだろう。
しっぽを降って、にかにか笑顔でぴょんぴょん飛んで、それともハナにしたみたいに低姿勢で、それはもう必死に努力するだろう。
(だって、ピピは近所の冷たいネコたちにさえ、もう長いこと片思いしているのです)
そんな「ともだち」の命を取って、ピピは生きている。
人間は、こうして自分のイヌに食べさせ、このわたしだって、同じようにして生きているのです・・・