*Sightseeing in Annapolis, Gettysburg and Hershey's Chocolate World*
前回からの続きです。
翌6月28日はメリーランド州の州都アナポリス観光に出掛けました。
歴史的な建造物を数多く残す町として、また大きなマリーナがあり、ヨットのメッカとしても有名なのだそうです。
観光名所としてまず挙げられるのは「海軍兵学校 (The United States Naval Academy, USNA)」なのだそうですが、私たちは誰も興味がなかったのでパス。
レンガ造りの古い街並みをのんびり歩いてみました。
*Downtown Annapolis
こちらはメリーランド州会議事堂。
*The Maryland State House
遠くからでも目立っていた屋上のドームは、釘なしで造られた木製のものとしては全米最大。
過去にアナポリスが合衆国の首都となっていた一時期は、連邦議会議事堂を兼ねていたそうです。
建築の開始は1772年(日本では江戸時代、老中田沼意次の頃ですね)、現在でも使用されている立法機関の庁舎としては全米最古だという建物は趣はあるものの、外から見る限りでは古びた感じが全くしないのが意外でした。
さて、11時を過ぎたら皆早くもお腹が空いてきまして。
古都の散策もそこそこに、次に向かったのはこちらのお店でした。
*Cantler's Riverside Inn
姉が街一番のカニの店「カントラーズ」(→「Cantler's Riverside Inn」)を探しておいてくれたのです。
去年、地域の新聞で「一番おいしい蒸しガニの店」に選ばれているのですね。
時間が早かったので、すぐ席に着けました(私たちが出る頃には行列が出来ていました)。
「漁師が集う店」と謳われる店内は、なるほど、ちょっと無骨な感じ。
この店の看板料理の「蒸しガニ」を頼むと、テーブルには紙が敷き詰められ、銘々に木槌が配られました。
木槌に期待と不安を煽られ待つことしばし。
注文した「特大」蒸しガニ半ダース(6匹)と蒸しコーン4本が到着~♬
*Steamed Blue Crab & Corn
メリーランド州名物のこのカニは「ブルークラブ」と呼ばれるワタリガニの一種で、「特大」と言っても小ぶりなのです(この後、もう半ダース追加オーダーしました)。
食べ慣れた日本のカニやダンジェネスクラブとは違うので皆でちょっと戸惑っていると…。
「説明いたしましょうか?」とウェイトレスさんがデモンストレーションしてくれました。
*Demonstration
まず手脚をもぎ、フンドシを外したら甲羅の真ん中目がけて木槌を振り下ろし(振り下ろさずとも割れる人もいます)、手で左右二つに割ります。
甲羅の部分にはもっちりした身と、アメリカ人は食べないようですがもちろんミソも♪入っているので、手やフォークでほじくり返しながら食べます。
爪の部分はもちろん木槌でガンガン叩いて割って食べますが、他の細い脚の中の肉はホンのぽっちりだし水っぽいので、わざわざ時間と労力を費やすほどの物ではないことが、食べた後でわかりました。
上にはパプリカやチリパウダーを混ぜたスパイスがたっぷり降りかけてありましたが、殻の上からですし、カニの身にちょこっとついた分を食べると少しピリッとする程度でした。
少し食べにくかったものの、盛大にバンバン!木槌で叩き割りながら苦労してほじくり出した、モッチリたっぷりした身の甘かったこと!
…と、こういう食べ方ですので、もちろん両手がベタベタになり、この後の写真は撮れませんでしたが悪しからず。
この他にもカニの身ぎっしりのクラブケーキ(パン粉をまぶして焼いてありました)やコールスロー、フレンチフライも頼んだのでお腹がいっぱいになりました。
最近は「面倒くさいものは食べなくてもいい」をポリシーにしていると言う母も「あんな風にみんなでトンカチで叩きながら食べるのも楽しいね」と喜んでいたのでよかったです。
食後、店の裏の、カニが揚がるハーバーを見学出来るというので下りてみました。
これが美味しかったブルークラブです。
*Live Blue Crab
この後は川が見下ろせて眺めがいいという「メリーランド第二次世界大戦メモリアル」へドライブ。
*WWII Memorial
川の向こう側、中央に見えるブルーの建物一帯が海軍兵学校です(多分)。
翌日はカナダ目指して出発する予定だったので、この後は早めに帰り、旅装を整えました。
さて、もう少しおつきあい下さい。
翌29日は、午前中にDCを発ち、ペンシルバニア州に入ってゲティスバーグで観光をした後、ハーシーまで行って一泊、という予定でした。
ゲティスバーグまで2時間、そこからハーシーまで1時間20分程、姉の車でドライブです(姉と夫が交代で運転してくれました)。
*Map from DC to Niagara Falls
ゲティスバーグ行きは夫の希望で決めました。
今回初めて知ったのですが、南北戦争の戦場跡地として有名な町だったのですね。
南北戦争史上最大の激戦となったこの地での戦いが、北軍の勝利への転換点になったのだそうです。
戦場跡を巡るツアーなどもあったのですが、あまり時間がなかったため博物館だけを見てきました。
*The Gettysburg Museum of the Civil War
館内は薄暗かったためあまり良い写真が撮れなかったのですが、当時の軍服や銃、大砲などが沢山展示されていました。
黒人奴隷を拘束するための手錠や、奴隷売買の新聞広告には「本当にこんな時代があったのだ」と胸の底がざあっと冷たくなるようなショックを受けました。
「この戦いで南軍が勝っていたら、今のアメリカはなかった。きっと僕とCOCOが結婚することもなかっただろう」と南軍への怒りをにじませながら語った銀之丞。
未来のアメリカに黒人の大統領が誕生するとは、当時誰も想像だにしなかったでしょう。
また、当時大統領だったリンカーンがゲティスバーグ戦場墓地で行った2分間程の短い演説が有名で、アメリカ人は中学生くらいの時にその全文を暗記させられるのだそうです(銀之丞も諳んじてました)。
その演説の中の一節をマッカーサーがGHQによる憲法草案前文に織り込んだため、その一文がそのまま日本国憲法の前文の一部になっていたとは、恥ずかしながら今の今まで全く知らない事実でした。
「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」
リンカーンが暗殺された翌日の新聞も展示されていました。
…と、見ていると勉強にはなるものの、重苦しい気持ちになってしまう展示が多い中。
私の興味を引いたのはやはりこういう物でした。
兵士が携帯していた食器や食料。
中央の大きなバケツのようなものは何と「コーヒーポット」!(何人分入るんでしょう?)
日本が江戸時代末期の頃、アメリカでは戦争のさなかに兵士がコーヒーを飲んでいたんですねぇ…。
隣のクラッカーのようなものは「ハードタック」と呼ばれる乾パンのような保存食で、あまりに硬いので「弾丸をも弾き返す」と言われていたとか(水やコーヒーなどでふやかして食べられていたそうです)。
さて、もう午後になっていましたが、ここから車で北北東(多分)に進路を取り。
ペンシルバニア州の州都ハリスバーグを通り過ぎ、向かった先は「ハーシー」。
そうです、あのチョコレート会社ハーシーを創設したミルトン・ハーシー氏の成功と共に築き上げられた街なのです。
目的地はここ、「ハーシーズチョコレートワールド」。
甘い香りのたちこめる大きなショップの中、チョコレートに目を奪われそうになりながらもここはグッと我慢して、奥へ進みます。
無料の「チョコレートツアー」というのを体験できるということで楽しみにしていたのです。
工場見学みたいなものかな、と思ったら、カートにのって回る、某アミューズメントパークの「イッツ・ア・スモールワールド」のような、子供向けのアトラクションでした。
カカオ豆がハーシー製品になるまでをダイジェストで見られて、それなりに楽しめましたけどね。
ツアーの出口で「キットカット」をもらって一歩踏み出せば、そこは、行けども行けどもハーシーチョコ、どこを切ってもハーシーチョコ!
見慣れたチョコレートはもちろん、お土産用に綺麗にパッケージングされたもの、見たことのない缶入りのもの、ハーシーのロゴやキャラクターのついたTシャツやマグ…。
と、店内は壮観だったのですが、チョコレートの香りに気分がハイになっていたようで、疲れを忘れたついでに写真を撮るのも忘れてしまったのでした。
ハーシーチョコはもちろん全米どこででも買えるのですが…。
この缶が欲しくて、自分用にキスチョコばかり2つも買っちゃいました(このまま食べるのに飽きたら生チョコやチョコクリームにしようと思います)。
「Heath Bar(ヒースバー)」はミルクチョコがけのカリカリタフィーで、「Reese's(リーシズ)」(ピーナッツバターカップチョコ)と並ぶ私のお気に入りです。
みんなでたっぷりチョコレートを買い込んだこの日の宿は、「ホテルハーシー」(→「The Hotel Hershey」)。
高台の上にある見晴らしのいい、素敵なホテルでした。
*The Hotel Hershey
これは裏庭からの眺めです。
夕飯はホテル内のレストランで食べたのですが(上の写真、一階の中央です)、写真を撮り忘れて手をつけてしまいましたので画像はありません。
最後に生塩キャラメルがサービスされました。
*Hershey's Sea Salt Caramel
ハーシー氏が一番最初に手がけた商売は実はチョコレートではなく、キャラメルだったのだそうです。
夫は「今まで食べた中で一番おいしいキャラメルだ!」と感激していましたが^^…私には少し塩っぱくて甘かったですネ。
夕食後は裏庭を散歩しました。
*Backyard of the Hotel
虹が出ているの、見えますか?
シックな調度が落ち着いた雰囲気のお部屋は小さいながらも居心地がよくて、アメニティのシャンプーやソープ類もマンダリンとカカオの香りの素敵なもの。
一泊しかしなかったのがとても残念でした。
翌朝、出発する前にホテルの敷地にあるローズガーデンを散歩しました。
そうそう、近くにはハーシーのアミューズメントパークもあったのでした。
ジェットコースター、ちょっと乗ってみたかったなぁ…。
小雨が少しぱらつく天気でしたが、この先にあるバタフライ・ガーデンの入場券を買ってあったのです。
*Hershey Butterfly Garden
蝶の卵、幼虫からサナギが羽化するところまで見られるようになっていて、気分はすっかり子供の頃の夏休み♪
おまけに。
私の帽子に蝶が!…朝食に食べたフレンチトーストにたっぷりかけた、メープルシロップのおかげでしょうか?
キュレーターの方が言っていたのですが、蝶がとまるとその人にはその後7年間、幸運が続くのだそうです♬
実はこの後、私の指に一頭、帽子にもう一頭とまってくれたので、わぁい、私はこの後21年間幸運に恵まれるということ!?
これで老後は安泰(?)^^…と喜んでいたら「それ、私の帽子じゃない!半分は私のだ~!」と姉。
そうなんです、私、帽子を持ってくるのを忘れてしまって、この旅行の間中、姉のを借りてたんです…。
いいですよ、半分コしましょう…じゃあ10年と半年ずつってことで…って、誰に頼めばいいのかしらねぇ?
本日も、長々とおつきあい下さいまして、どうもありがとうございました。
この後は、緑の濃い初夏のペンシルバニア州とニューヨーク州を抜けて、北へ北へと、ひたすらカナダを目指してのドライブとなりました。
蛇足ながら。
カリフォルニアでもよく見かける「シカに注意」の標識。
*Deer Warning Sign
今回、一度ならず見かけた「赤鼻のシカに注意」の…?
*"Red Nose Deer" Warning Sign?
これって「トナカイに注意」ってことじゃ…ないですよねえ?
次回は、いよいよナイアガラの滝に到着します。
日本は土用の丑の日でしたね。
こちらも夏らしい暑い日が続いています。
どうぞよい週末をお過ごし下さい。
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