体にはよろしくないそうですが-食べたかった◯◯と、恐怖!?我が家を見下ろす△△!! | COCOのおいしい話

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*German Restaurant "Brats Brothers" Review*

錦秋の候、ご無沙汰致しておりますが、皆様如何お過ごしでしょうか?

ここロサンジェルス近郊のシャーマンオークスも、最高気温こそまだ20℃台後半~30℃台ですが。

色づいた木々の間を吹き抜ける風が乾いて冷たくなって来たので、今週ようやく半袖の服やサンダルをお役御免としました…夫や周りのアメリカンはまだTシャツ姿ですけれど…。

空もすっかり秋の顔。

そうですよねえ、もう10月も終わりなんですもン…。

巷はハロウィーンで大盛り上がり。

ちょっと前まではハロウィーンの飾りと言っても、家の外にカボチャのランタンを置いたり、窓ガラスにお化けの絵や蜘蛛の巣を描くくらいがせいぜいだったと思うのですが。

最近は、家や庭を人形や大掛かりなイルミネーションで飾る家が多くなりました。

屋根に大きなカボチャや蜘蛛や魔女をのっけたり、庭の木にミイラやオバケを吊り下げたり、墓石をずらりと並べたり…この気合の入れようは、もうクリスマス顔負け。

でもクリスマスと違って、眺めていて微笑ましい気持ちになるハロウィーンの飾りというのは、あまりないようです。

先月、庭に出た夫が「ゥワォッ!?」と声を上げたので見に行くと。

庭から見える、お向かいのアパートのベランダにこんなものが。


ハロウィーン1


左端は逆さ吊りのミイラでしょうか…?

フと振り向いてこんなのと目が合うと。


ハロウィーン2


やはり嬉しくはないです。

夫は風の強い夕方や夜、揺れ動く人影を見たような気がして振り返っては、何度も悲鳴を上げそうになったと言います(笑)。

ハロウィーンが終わったらすぐ下ろしてくれるといいのですが…(こちらではクリスマスの電飾が春先まで飾ってあるお宅もまま見かけるのです)。


さて、ブログ用にと撮りためた写真は沢山あるのですが、こちらはつい最近までそうめんや夏野菜が似合うような気候だったので、どれも10月にアップするブログには不向きで…。

なので、今の時節に合っているかどうかはともかくとして、一番最近、先週末に行った外食の写真を載せてみたいと思います。

お店の名前は「Brats Brothers」=「ソーセージ兄弟」。


ソーセージ兄弟


シャーマンオークスにあるドイツ風居酒屋です。


アメリカに来てビックリしたことの一つが、スーパーで売っているソーセージの大部分が「ビーフ100%」であること。

レストランやスタンドで売られているホットドッグも、殆どがこのビーフソーセージなのです。

ヘルシー志向のチキンやターキー製のソーセージはありますが、日本で一般的な「粗挽きポークソーセージ」は普通のスーパーやレストランではまず見られません(日系のスーパーでは似た物が手に入ります)。

今年の夏は格別暑かったので、私の「冷えたビールと熱々粗挽きポークソーセージ」に対する思いは募りに募って。

8月のある土曜日の夜、ロサンジェルスのファーマーズマーケットに出来た「ドイツ風ビアガーデン」のメニューに「ポークソーセージ」を見つけた時は、小躍りするほど嬉しかったのです。

ソーセージはもちろん、プレッツェルやドイツ風仔牛のカツレツ(ウィンナシュニッツェル)などもとても美味しくて。

ドイツ系アメリカ人の夫も大満足で、絶対また来ようね、と言っていたのに。

先週行ってみたところ、閉店していました…。ガックリ

そう言えば、この前行ったのは8月の暑い週末の夜だったにも関わらず、店内はガラガラでしたっけ…。

「お料理はどれもおいしいのに随分空いてるなあ、開店したばかりだからかな?」と思っていたのですが、アメリカ人には受けなかったんでしょうか、ドイツ風ポークソーセージとビールの組み合わせは…?

自分でも意外なくらいこの店の閉店に落ち込んでしまった私を見て、夫がドイツ料理の店を検索してくれました。

なんと、家の近所に、ドイツ風グリルの店があったのです。

場所は私達がよく行くフレンチレストランの通りを挟んで向かい側(どうして気づかなかったんだろう…?)。

ああ、青い鳥はこんなにも近くにいたのですね。

しかも店名が「ソーセージ兄弟」と来たら期待は高まります。

店内はドイツの居酒屋風(多分)で、中央は木のベンチ席があったりして素朴でありながらもナカナカ凝った内装。


ブラザーズ店内


思うに、「プレッツェル」と「ソーセージ」が、日本食で言う所の「スシ」「テンプラ」に当たるのでしょうか?

お世辞にも小綺麗とは言えない店内でしたが^^、とにかくドイツビールを。


ビアマグ
*German India Pale Ale and Lager

夫はホップの効いたインディア・ペール・エールを、私は軽めのラガーをもらいました。

ビールを一口飲んだ時の夫の笑みと来たら…お見せ出来ないのが残念です(あ、別に見たくもないですね?)。

夫が大好きなプレッツェルとポテトパンケーキ。


プレッツェル
*Pretzel and German Potato Pancakes served with Sour Cream

プレッツェルはフカフカのアツアツ(最初触れないくらいでした)。

塩の粒がぴりりと効いて、ビールとよく合ってとても美味しい~。

パンケーキは表面はパリカリ、中はジャガイモの歯ごたえが微かに残るくらいの火の通り加減で、玉ねぎの甘さと香りがよくて、小さい2枚だけなのが残念なくらいでした(たっぷり添えてあるのはサワークリームです)。

子供の頃から父親が作ってくれるポテトパンケーキが大好きだったと言う銀之丞は、殆ど泣き出さんばかりに感激しながら食べていました。

さて、待ち焦がれた粗挽きポークソーセージ(ポーリッシュソーセージ)はホットドッグで出てきました(夫も私も、ソーセージだけいただきました)。


ポーリッシュソーセージ
*Smoked Pork Polish with Cheese Spaetzle and Sautéed Mushrooms

このブッツリした歯ごたえの、ピンク色の粗挽き肉が食べたかったんですよ~。(^~^°)

付け合わせは、これも夫が食べたがっていた「シュペッツェル」というポテトヌードル(ニョッキを細くしたような感じでした)と、「マッシュルームのソテー」です。

夫はドイツの代表的なソーセージ、ブラットワーストを頼みました。


ブラットワースト
*Veal & Pork Brat with Grandma's Sauerkraut and Chopped Salad

豚肉に仔牛の肉が入るので白っぽい、あっさりした味です。

この付け合わせはこの店の名物だという「おばあちゃんのザワークラウト」と「野菜サラダ」。

このザワークラウト、一目見た時に「スパゲティナポリタンみたい」と思ったのですが、味も近かったです…つまり、ケチャップ炒めになっていたのでした。

子供の頃からザワークラウトは苦手だったという夫が「今は食べられるなあ」と言って平らげていたのは、彼が大人になったからなのか、ケチャップ味のせいなのか…?^^

テーブルには店のオリジナルの、色々なマスタードが置いてありました…5、6種類もあったでしょうか。

「ハチミツ入り」の他に「ワサビ味」や「カレー味」なんてものまであり、夫はプレッツェルやソーセージにつけて食べていましたが感想は「Interesting(面白い)」だそうです。

私は、プレッツェルやソーセージは、大抵それ自体にしっかりすぎるほど塩味がついているので、何もつけない方が好きなのですが。

好奇心に駆られて「カレー味」をソーセージに使ってみましたが…ちょっとスパイスの味がするケチャップのような感じでした。


「おばあちゃんのザワークラウト」と聞いて、子供の頃に読んだ本を思い出しました。

ドイツ帰りの同級生の女の子に借りて夢中で読んで、大好きになったドイツの童話。

「大どろぼうホッツェンプロッツ」シリーズです。


ホッツェンプロッツ表紙
*Der Räuber Hotzenplotz (The Robber Hotzenplotz) by Otfried Preussler

作者のオトフリート・プロイスラーはチェコの生まれですが、第二次世界大戦後ドイツに移住、この本は1962年に発表され、1963年度のドイツ優良児童図書にも選ばれました(1972年には国際アンデルセン作家賞を受賞)。

外国の童話を読む楽しみは、その国の生活、風習、文化が挿絵付きで垣間見れるところです。

「大泥棒」と言うにはおマヌケなホッツェンプロッツと、こちらも大泥棒と渡り合う探偵役としては少々詰めの甘い二人の少年、カスパールとゼッペルのコミカルな知恵比べが物語の主軸です。

そして物語の要所要所に出て来るお料理がとても楽しい。

「あわだてたなまクリームをかけたプラムケーキ」や「焼きソーセージにザワークラウト」や「ロートカッペ(きのこ)のスープ」や…。

「ザワークラウト」や「アッペルシュトルーデル」というドイツの食べ物の名前を、私はこの本で初めて知りました。

昭和の子供だった私の知識量などタカが知れていますが、それらを総動員して「どんなお料理やお菓子なんだろう…」と想像してみたものです。

1作目には私のお気に入りのキャラクター、ホッツェンプロッツの友人でジャガイモが大好物の「大魔法使いペトロジリウス・ツワッケルマン」が登場します。

「大」がつく魔法使いでも、何故か魔法ではジャガイモの皮をむくことはできないそうで。

ホッツェンプロッツに捕まったカスパールがツワッケルマンに売られ、「せんたくがまいっぱいのマッシュポテト」を作らされたり、「ジャガイモのからあげ」用にバケツ6杯のジャガイモの皮むきをさせられたりするのです。

このイモ好きの魔法使いの食料庫には、天井から種類も長さも太さも様々なソーセージがぶら下がっていた、というのが実にドイツらしくて(「ハイジ」のペーターをちょっと思い出しました^^)…この魔法使いの館のシーンが、私は全作品中で一番好きです。

使われている日本語が少し古めかしいのも、返って想像力が刺激され、物語の味わいを倍増させているように思います。

この後カスパール達との戦いに敗れ、ホッツェンプロッツは囚われの身となって1作目は終わります。

が、まんまと脱走に成功し、少年達への復讐を目論むのが2作目の「大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる」。

冒頭でホッツェンプロッツは、カスパールのおばあさんが子供達とのお昼ご飯にと用意しておいた鍋いっぱいのザワークラウトと焼きソーセージ9本を横取りして食べてしまいます。


ホッツェンプロッツ挿絵


このフランツ・トリップの挿絵も、いいですよねえ(上のおばあさん、私には何故かウットリ顏に見えますが)。

カスパールとゼッペルの分を入れて9本ですから、一人あたり3本。

日本の細いソーセージなら今でも3本は軽いですが。

「ソーセージ兄弟」のソーセージは太めだったので、昔の私でも2本がせいぜいだったんじゃないかな…。

でも、ソーセージと言えば気になることが。

先日、世界保健機関(WHO)が、ベーコンやハム、ソーセージなどの加工肉を一日50g食べるとがんにかかるリスクが最大で18%高くなるという研究結果を発表し、ニュースになりましたね。

でも、今月の初めの、アメリカで最高齢の116歳になる女性が毎日欠かさず食べている食品がなんとベーコンであった、というニュースも耳に新しいところです。

彼女が毎日何gのベーコンを摂っているのかは分からないのですが、朝食に少し、などではなくて「一日中」食べているというのですから…???

要するに、加工肉食品だからと言って目のカタキにせず、他の食品と合わせて、食べ過ぎないように楽しむ分には問題ないのではないかなぁ…。

こうしてたまに、ドイツソーセージと夫の笑顔を肴に少しくのビールを喉に流し込むことでササヤカな幸せを感じられるなら…そう体に悪いとも思えません。

潰れちゃわないように、そのうちまた行ってみようと思います、「ソーセージ兄弟」。


おっと、蛇足ながら。

「ホッツェンプロッツ」の3作目で、ホッツェンプロッツは泥棒業を廃業し、商売替えすることを決意します。

その職業とは…。

「森の料理店<どろぼうのねじろ亭>」。

こういう結末は児童文学のお約束ですが…やっぱり好きですネ、大団円。


日本は今日がハロウィーンですね。

今年は私達はランタン用のカボチャを買いそびれてしまったのですが…。

子供達も来るかどうかわからないけど、一応キャンディーは用意しておこうと思います。

さて、ハロウィーンもサンクスギビングもまだ済まないと言うのに、うちの居間には何故か…。


10月のツリー


早くもクリスマスツリーがそびえ立っています。

去年買いそびれてしまったツリーを(何だか私、「そびれて」ばかりですねぇ)、今年こそはと思って早々とオーダーしたのが先週届きまして。

ライトがちゃんと点くかどうか確かめるために組み立ててみたのですが、「あと数週間したら飾りつけをするんだし、このまま出しておいたら?」と夫も言うので、片付けずに出しておくことにしたのでした。

椅子の上のキティちゃんは、かろうじてハロウィーンの黒猫バージョンです^^。

では。

皆様もどうぞ楽しいハロウィーンを。

Happy Halloween!





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