ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

明治創業の新京極にある老舗メガネ店「眼鏡研究社」。日本人の顔の構造に合う日本製の手作りメガネ。

2014-08-25 | ファッション

新京極の中ほどに、洒落た雰囲気の眼鏡屋さんがあります。ミモロは、前から気になっていたお店。
 「なんか素敵なメガネ~」
ある日、思い切って「こんにちは~」と言いながらお店の中へ。
明るい光にあふれた店内には、金枠の丸いメガネやセルロイドのメガネが、整然と並んでいます。
 
「いろいろある」
ミモロは、次々にメガネを見てゆきます。

ここ「眼鏡研究社(かんきょうけんきゅうしゃ)」は、明治時代から続く老舗。現在、ご店主の玉垣嘉一さんと奥様、そして専門のスタッフで、お客様に合ったメガネを提供しています。


今や大手のメガネ専門店が、全国規模のチェーン展開をしているメガネ業界。実は、京都は、昔からメガネ店が多い場所で、現在も、ここのような老舗のメガネ店がいくつかあります。

「メガネが普及したのは、明治になってからですが、当時、とても高価な品で、ごく一部の人しか持てないものでした。山高帽に、ステッキ、ちょび髭、そして丸縁のメガネは、ハイカラで、知的な象徴、当時のトレンドだったんです。でも、一般の人は、細かい文字を読む人以外、必要がなかったようです。また、明治のころは、女性は、ほとんどメガネをかけていません。それは顔にのせる抵抗感があったのと、文字が読めない人もいましたから…。さらに、毛筆が日常的ですから、今より文字が大きくて、あまり必要なかったんです」「へぇーそうなんだ~」「女性がメガネを本格的に使いだしたのは、戦後、セルロイド製のメガネが、流行してからです」ミモロは、ご主人のメガネのお話に興味津々。

ここには、創業以来、収集、研究したメガネのストックが千本以上あるとのこと。「これ、昔のメガネ?」「そうです」
 「今、お店に並んでいるのとあんまり変わらない感じ…」とミモロ。そう、ここでは、昔ながらの上質メガネを今に蘇らせていて、丸メガネが豊富。

「こういう昔のメガネは、よく映画の撮影に貸し出されるんです」と。昭和初期の映画には、大切な小道具です。
「丸いメガネもカッコイイ…。顔が優しく見えるみたい…」とミモロ。


昭和時代に、女性に人気だったメガネの一つが、ヘップバーングラスとよばれる、ちょっと上がり目の感じのメガネ。
オードリー・ヘップバーンが映画の中で使った、おしゃれなタイプです。「このメガネかけて、頭にスカーフまくと、ヘップバーンになれるかも…」と、想像するミモロ。

セルロイドの普及で、さまざまな色のメガネが登場し、その形もバラエティー豊かに…。
 
ここに並ぶセルロイドのメガネは、どれも微妙なニュアンスを感じさせる色使い。日本人の肌に馴染む感じがします。

「メガネのレンズを替えるとき、メガネの上の部分を削って、こんな形にすることもできますよ」とご主人。

表示にもあるように、ここのメガネフレームは、すべてオリジナルの日本製の手作り。セルロイドのフレームの上を削ると、リーディングメガネ(老眼鏡)の場合、視線を上に向けると、メガネをはずさずに、遠くが見えるそう。

もちろん金枠のフレームも、オリジナルの日本製で、チタンやニッケル・クロムの合金ではなく、金か赤銅(金に銅を混ぜたもの)か、サンプラチナで作られています。
 
丸メガネは、視野が広く、見やすいそうです。

「ちょっとかけてみますか…」
「似合うかなぁ~」
「すごく軽い…」細いフレームは、粘り強い弾力があり、やさしく顔にフィットします。「これなら長時間かけても、疲れないかも…」
いろんなメガネを試すミモロ。「う~こっちの色もいいなぁー」
もちろんミモロには、どれも大きすぎますが、なかなか似合います。
「メガネ欲しいなぁ…」ミモロサイズの小さなメガネはないので、諦めて…。

100年以上、日本人の顔を研究している「眼鏡研究社」。
「最近の日本人の顔は、戦前と比べると、かなり違うんですよ」と、ご主人。
「どこが違うの…?」とミモロ。「昔は、鼻柱も低く、横に広い、平面的な顔が多かったんですが、今は、顔幅が狭くなって、奥行きが増したんです。だから、昔のメガネのツルでは、今の人には、短すぎるんです」
写真の奥が、昔のメガネ。目から耳までの距離が伸びているのがわかります。
「とは言っても、目がくぼみ、眉の上の部分が高い西洋人の顔とは、違います」と。確かに、外国製のメガネの中には、頬にのったり、鼻の上にしっくり納まらないものも…。「西洋人のメガネは、レンズの部分を、幾分、内側に角度をつけています」と。「それで、頬にのっちゃうんだ~」と納得。
また、昔より、今の人は、小顔になっているそう。「ジャニーズの子たち、みんな小顔だよね~」とミモロ。

ここのメガネは、日本人の顔の構造を研究して作られた、日本人のためのメガネ。長年培われた技術と、研究により、生まれた快適な生活のためのメガネです。

メガネの値段は、16000円~2万円ほど、レンズは、10000円~。1式で、約3万5000円ほどからが、ひとつの目安です。
「え~思ったより、高くない…」とミモロ。


「祇園など、花街の芸妓さんは、和服の後ろの帯にメガネを隠して、必要な時に、取り出して使うんですよ」と。なるほど、年輩の芸妓さんでも、お座敷で、メガネをかけた人は、見たことがありません。

細かい文字やパソコンで疲れた現代人の目…。自分に合ったメガネ探しに、ぜひ、覗いてみては?

レンズがあれば、京都旅行中にも作れるそう。「東京のお客様も多いんですよ」と。
京都旅行の初日に行けば、作れるかも…。

*「眼鏡研究社」京都市中京区新京極通蛸薬師上ル 075-221-0717 11:00~19:00 水曜・第3火曜休み


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