ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

高瀬川沿いにある材木商「酢屋」。坂本龍馬の命日、11月15日に行われた「酢屋龍馬祭」

2014-11-17 | イベント


晴天と土曜日に恵まれた11月15日。ミモロは、三条大橋を渡り、高瀬川を目指します。
  
高瀬川は、京都、伏見、大阪へ物資を運ぶ水運の要。その昔は、山から切り出した材木を扱う、材木商が川のそばにありました。そのひとつが、材木商「酢屋」です。ミモロは、その日、そこで毎年開催される「酢屋龍馬祭」に参列するために、張り切って出かけました。

午前10:30から始まる龍馬の命日の追悼祭…すでにミモロがもらった整理番号は、92番。「今日は、土曜日なので、多くの方がいらしています」と、11代目となる中川典子さん。

以前、銘木を扱う「千本銘木商会」で行われた木工教室で、すでに顔なじみのミモロです。「あ、もろみちゃん、いっらっしゃい。今日は、お侍なんだ~よく似合いますね~」と…。中川さん、ミモロのことをモロミと覚えてしまったよう…。「あの~ミモロ、お味噌じゃないんですけど…」と小さな声で…。

「酢屋」の店先には、龍馬の写真を飾った祭壇が設けられています。

はじめに、9代目のご挨拶から…。いつの間にか、大勢の人を潜り抜け、ミモロは、最前列にしっかり…

さて、酢屋は、享保6年(1721)から、この場所で材木商を創業。現在、10代まで、ずっとこの場所で店を構えています。実は、変化激しい町中で、初代から同じ場所で300年近く店を構えるのは、本当に珍しいこと。「酢屋」も、高瀬川に材木を流せなくなり、現在、作業所は、千本通にあります。でも、この場での商いを続けることの歴史的意義を代々固持してきたのです。

さらに昔ながらの構えの店は、さすが材木商の店らしく、しっかりとした構造。「きっと地震にも大丈夫だね~」とミモロが思うほど、京都にある町家の中でも、多少のことではビクともしなそう…。歴史的な事実を今に伝えるには、それ相応の地盤の強さとそこの建物を大切に維持する人々の思いが欠かせないことを物語る建物です。

「酢屋」が、歴史の本にその名を刻むことになったのは、幕末に坂本龍馬をはじめ、海援隊隊士をかくまった事実によります。

まさに命がけで龍馬たちをかくまった、6代目店主、酢屋嘉兵衛。しかし、慶応3年(1867)11月15日に、ここから歩いて5分ほどの「近江屋」で、中岡慎太郎と共に、襲撃され、絶命します。
「その知らせを受けて、『酢屋』にいた海援隊の2名が現場に向かったそうですが、すでに龍馬は息絶えていたそう。6代目は、龍馬さんを守りきれなかったと、悲しんだそう…。龍馬は、ここの2階に滞在していました。

今は、そこからは、ビルしか見えませんが、当時は、高瀬川がすぐ前を流れ、伏見、大阪方面まで見えたそう。格子窓の位置も昔のまま、龍馬さんは、そこからさらに遠くの世界を見ていたことでしょう。どうぞ2階に上がって、龍馬さんの夢に思いをはせてください…」という内容のお話しを…。

龍馬は、土佐藩の脱藩者、海援隊の隊員も下級士族などの出身者で、いずれも10代や20代の若者ばかり。今の若者より、よっぽど大人だったとしても、故郷を離れ、寂しさと不安を感じないはずはありません。酢屋の家族は、そんな龍馬たちに温かく、接していたことが、龍馬の手紙などから読み取れるそうです。

「龍馬追悼祭」は、来賓のご挨拶に続き、祭壇の前に集まった200人を超える参列者が、祭壇で冥福を祈ります。
まずは、「酢屋」の関係者から…。そして参列者のひとりとしてミモロも祭壇の前へ…
  

参列者に渡された献杯のお茶とお酒…。それから全員で献杯を…
 

「毎年、多くの方にご参列いただきまして…」と、『酢屋』の10代目と11代目。


現在、『酢屋』は、銘木の木工細工のお店をここで営んでいます。その2階は、現在、龍馬の遺品や文書、海援隊文書などを展示する「ギャラリー龍馬」になっています。

「古い家屋を新たにするとき、天井を開けたところ、そこからいろいろな文書が出てきたんです」と。
展示には、龍馬が姉乙女に書いた5メートルもの手紙など、貴重な資料や写真が…。

「こんなに多くの人たちに、今も愛されている龍馬って、すごいね~」


『酢屋』の前の通りは、「龍馬通」との表示が…。

この日、京都各所の龍馬ゆかりの場所では、彼の業績を偲ぶさまざまな追悼の催しが開催されました。

短い生涯ながら、龍馬が京都に残した足跡の多さ…今も、多くの人を魅了し続ける龍馬です。

*「酢屋」の詳しい情報は、ホームページでどうぞ…

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