ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都の冬の庭めぐり。南禅寺塔頭の「金地院」。狩野探幽の鳴き龍がある重要文化財の「東照宮」

2014-12-18 | 寺社仏閣

冬は、京都の庭園を巡るのには、絶好の季節。というのは、観光客が少なく、ゆっくり見られることと、木々の葉が少なく、庭全体の構成がわかりやすいからです。

「やっと静かな季節になったから、ゆっくりお庭の鑑賞を始めよう…」というミモロ。まずは、東山にある「南禅寺」の塔頭、「金地院」を訪ねました。
 
このお寺は、応永年間に足利義持の帰依を受けて、大業和尚が、北山に開創した禅寺です。江戸の慶長10年(1605)に、「南禅寺」の以心崇伝(いしんすうでん)が、現在の場所に移し、再建したもの。

徳川家康に近侍し、信頼を得た崇伝は、寺大名、「黒衣の宰相」とよばれるほど、大きな力をもった僧だったとか。

「金地院」には、2つの門があります。「入れないよ~」と、ミモロが柵にしがみついている場所は、境内にある東照宮に通じる門。ここは閉鎖されています。
 
そっちの門じゃなくて、こっち~。「あ、そう…」
 庫裡のそばから中へ入ります。拝観料400円を納め、奥へと進みます。

「明智門」と呼ばれる門をくぐり、弁天池へ。
 
「明智門」は、その名からわかるように、明智光秀が母の菩提を弔うために大徳寺に建立したもので、明治初年にここに移築されました。

「やっぱり冬はいいね~。人が少ないから、すごく静か…」ミモロ以外に拝観者の姿が見えない境内は、ひっそりと静寂に包まれています。

「あ、この門、さっき柵があって入れなかった門の裏側だ~」。その門から一直線に東照宮へと石畳が伸びています。
 
「お寺の中に鳥居が立ってる…」ちょっと不思議な景色ですが、神仏習合の長い時代の名残りでしょうか、お寺に鳥居や神社があるのは京都では、特別珍しいことではありません。
「ここが東照宮?」
 
京都に残る唯一の権現造様式の建造物だそう。
 
寛永5年(1628)に造営されたもので、日光の東照宮の陽明門が造営されて4年後にできたことになります。創建当時は、壮麗な建物で、日光東照宮に比すべきものと言われたそう。
建物正面には、彩色が施された透かし彫りが…。「これ獅子かな、それとも麒麟かな?」

その両脇には、鳥の姿の透かし彫りが、当時の華やかさをとどめます。「あれは、鳳凰かな?それとも雉?」
 

中には、土佐光起筆の「三十六歌仙」の額が見えます。また天井には、鳴き龍の姿が…これは狩野探幽の筆によるものとか。


狩野探幽は、京都生まれ。元和3年(1617)に、江戸幕府の御用絵師となり、本拠地を江戸に移します。江戸城障壁画などを手掛けましたが、代表作と言われるものの多くは、二条城の襖絵や大徳寺の方丈障壁画など、京都で見ることができます。

「徳川幕府という大きなスポンサーが付いたから、いろんな作品がりっぱな建造物に残せたんだね~」とミモロ。「でも、生まれ故郷の京都でのお仕事ってうれしかったんじゃないかな…」と。

二条城の障壁画は、徳川秀忠の娘、和子がお嫁にいった後水尾天皇を迎えるために、描かれたもの。徳川家のおもてなしです。それが寛永3年(1626)ですから、この「鳴き龍」は、その同じような時期に描かれたことになります。「これも東照宮だから、狩野探幽が頼まれるもの当然かも…」

狩野探幽は、なかなか実子に恵まれず、狩野宗家を末の弟を養子に迎え継がせ、自身は、鍛冶橋狩野家を興し、そこに養子をむかえます。でも、50歳をすぎて、初の子供に恵まれ、その子が、のちに鍛冶橋狩野家を継ぐことに…。
「養子の人どうなったんだろ?まるで秀吉みたい…」とミモロ。でも秀吉は、63歳で死にますが、探幽は73歳で他界。お墓は、東京の池上本門寺にあるそう。

ところで、秀吉は、63歳という今でいえば、まだ若い年齢で亡くなったことに。テレビの時代劇の秀吉の最後って、すごくヨボヨボのおじいさんですが、あそこまで老けさせなくていいのかも…。

ともかく探幽も晩年に生まれた子供はかわいいらしく、養子を退け、実子を跡継ぎにします。それが災いしたのか、その後、長らく鍛冶橋狩野家からは、優れた絵師を輩出できませんでした。

京都では、娘に婿を迎えたり、養子縁組した家は栄えるといわれるそう。つまり養子や婿さんは、その才能を認めたうえで家に迎えることに。でも実子には、才能のいかんにかかわらず、家を継がせたくなるのが親心。これが禍してか、家を滅ぼすことにつながりやすいということです。



さぁそろそろ次の場所に移動しましょ。
「ここ下がるの~?」

そう、階段を下りてね。
ミモロの前には、長い階段が・・・「いったいつこんなに高いところに来たんだろう?」と首をかしげるミモロです。

階段を慎重に降りたミモロは、いよいよ庭園にはいります。

*「金地院」京都市左京区南禅寺福地町86-12  075-771-3511 庭園拝観時間8:30~17:00(12から2月は、16:30まで) 拝観料400円 


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2 コメント

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こんにちは (りんご)
2014-12-18 14:57:51
お久しぶりです。 毎回楽しみに拝見させて頂いてます。

恒例の3月京都の旅が中止になってしまい、8月にと思っていましたが自己都合?でキャンセル やっと明後日20日に出発できることになりました(^^)  

冬の京都は初めて寒いと聞いているので、カイロを貼り付けダルマのような格好でお邪魔しますw


毎回、食事が難問ですw

これからもブログ楽しみにしています。
寒い日が続きそうです、ミモロちゃんも風邪などをひかないよう気をつけて下さいね。
お返事遅れてごめんね~ (mimoro)
2014-12-23 00:05:09
お返事遅くなってごめんなさい~。
京都の冬は寒いけど、一番、ゆっくり京都が楽しめる時期。ミモロ大好きです。
そう、カイロつけて、厚手の靴下履いて、帽子かぶってれば大丈夫。あったかなおうどんなんかで温まってね~。
ミモロが紹介してるお食事処は、手軽で、一人でも行けるとこが多いんです。ぜひ参考にしてね~

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