ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

一度は見たい、大原「三千院」の紅葉。早朝特別拝観で堪能する、静寂と錦秋の世界

2014-11-21 | 歴史・史跡


紅葉真っ盛りの京都。数ある紅葉の名所の中でも、人気が高いのが、大原の「三千院」です。
「一度は、見たいよね~」と、すでに「三千院」には、紫陽花の時期など、何度か訪れているミモロですが、秋は訪れたことがありませんでした。というのは、紅葉の時期は、特に大勢の観光客が押し寄せる場所…行くのには、なかなか根性と覚悟が必要です。

でも、そんなある日、ミモロについに「三千院」の紅葉狩りのチャンスが到来。

朝、6時に起きて、6時半過ぎに、東山岡崎を出て、車で約30分かけて大原へ。町中より、気温の低い大原に向かいました。

実は、この日、お寺の一般参拝の時間帯の前に、特別に参拝させてもらえるツアーに誘われたのです。
企画をなさったのは、京都おもてなし大使でもある小山明美さん。ミモロの親しいお友達のひとりです。
「ミモロちゃん、おはようございます。参加してくれてありがとう…。寒いからこれどうぞ…」と、ホカロンと厚手の靴下を渡されたミモロ、「さすがおもてなし大使、行き届いたおもてなし…」と感激しきり。暖かいホカロンに抱き着いて、しばし冷えた体を温めます。

さぁ、特別参拝が始まりました。参加者は20名。ミモロは、みんなの後に従い、お寺の中へと進みます。
「う~遅れちゃう…」必死に追いかけるミモロ。おかげで、体はポカポカに…。

まず、お寺のメイン建造物の「客殿」で、僧侶の方から、お寺の由来などのお話しを伺います。
「客殿」に入ると、目の前には一面紅葉の景色…「うわ~」と参加者から感激する声がこぼれます。
 
「わーきれい…」と、あまりの美しさに言葉が続ないミモロです。お庭の鑑賞は、のちほどにして、まずお話しから…


「三千院は、天台宗のお寺で、62代の住職のうち、30人が、皇族という門跡寺院です。この名前になったのは、実はけっこう新しく明治4年です。以前は、梶井門跡とか、梨本門跡などと呼ばれていましたが、法親親王還俗にともない、霊元天皇のご宸筆の勅額から、「三千院」になりました…霊元天皇の宸筆は、他にも知恩院に勅額が掛かっています…」など、いろいろ興味深いお話しが続きます。
 
ミモロは、お庭を眺めながら耳を傾けていました。

「ここのお庭は、『聚碧園(しゅうへきえん)』といいます。つまり緑を集めた庭という意味。よく『三千院』は、紅葉と言われますが、実は、杉や苔、楓の緑を楽しむ庭なんです」と。「なるほど~夏に来たときも、みずみずしい緑がとても美しかった…」と思い出すミモロ。

「よくこの紅葉を見た方が、『いったいいつ赤くなるんですか?』と聞かれるんですが、ここは、杉木立の中の紅葉で、もうこれ以上赤くはなりません。赤い楓は、初めから赤くなってます。ですから、いろいろな色合いを楽しんでください…」と。「そうだよね~楓だっていろいろあるものね~」と、ミモロ。

ミモロたちのほかに参拝者がいない『三千院』。まずは、阿弥陀様がいらっしゃる『往生極楽院』でお詣りしてから、お庭の散策を楽しみます。
庭の中央にある『往生極楽院』には、ご本尊の阿弥陀如来さまと、脇に、観世音菩薩さまと勢至菩薩さまがお祀りされていますが、現在、菩薩様お二人は、東京の国立博物館の国宝展にご出張中でお留守です。

さて、阿弥陀様にお詣りしたミモロは、再びお庭に…。
周囲にだれもいない「三千院」のお庭…なんて贅沢な時間でしょう。「まるで絵葉書の中にいるみたい…」よく写真集や絵葉書でみる景色が、ミモロの前に広がっています。

「京都~大原、三千院…恋につかれた女がひとり~」と、思わず口にでるしっとりとした景色。あまりミモロには、似合いませんが、この美しい景色を見たら、恋に疲れている人も、そのことも忘れそう…。

「落ち葉の絨毯…」ミモロがじっと見つめる先は、苔の上に散った楓…。自然が織り上げた秋の絨毯です。

「すてき~」と、しばらく杭の上から鑑賞。ミモロの背では、地面に近すぎて、全体を見渡すことができませんでした。「散紅葉も本当にキレイ…」眺めるミモロの洋服の色と同じよう。「あ、秋の保護色なんだ~」と嬉しそうに。


「あ、なんか聞こえる…」ミモロの耳がピクピクと…


そう、『客殿』の中から朝のおつとめのお経が静寂の中に響きます。

大原は、声明発祥の地、読経の声が、なんともふさわしく、こんな静かさに身を置きながら聞くことができ、ありがたさもいっそう…。

紅葉の盛りの『三千院』で、こんな時間は、一般公開前の時間だけ…。写真の中に、ミモロしか映ってないのは、まさに奇跡的。

開門時間は、まもなく…8時30分になると、一斉に紅葉を撮影するために訪れたアマチュアカメラマンが、飛び込んできます。

今の静かな情景を目に焼き付けようと、ミモロは、残り時間を惜しみながら、庭の中を歩きます。
  

ミモロ、もうすぐ開門よ…「え~もうそんな時間…もっとこうしていたいなぁ~」


8時半になると、あたりに次々大きな一眼レフカメラを持った人たちが…。でも、そのレンズの先には、次々に訪れる参拝者の姿が…「きっとパソコンで消すんだよね…」と、ミモロ。

不思議なもので、次々に人の数が増えると、庭に立ち込めていた冷たい空気が動き、ミモロが紅葉の中を歩いていたときとは、気の流れが違っています。「もう帰る…」と、ミモロ…

帰りがけに、境内の展示館の「円融蔵」で、「往生極楽院」の天井画の復元模写を拝見。カラフルな色彩にあふれた天井画…当時の人たちが憧れた極楽浄土へといざなう様子がそこに…。

「すてきな経験できて、感激でした」と参加者のみなさん。


ミモロの小さな目には、秋の「三千院」の景色が、いつまでも刻まれていくことでしょう。


*「三千院」の詳しい情報は、ホームページで.
11月の参拝時間は、8:30~17:30(17:00で受付終了)12月から2月は、9:00~16:30(16:00受付終了)です。


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1 コメント

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羨ましい~ (東京の花子)
2014-11-23 10:53:45
以前、秋の「三千院」に行ったら、ものすごい人で、
紅葉をゆっくり楽しめる状況ではありませんでした。
いいなぁ~ミモロちゃん。

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