読書のきっかけ(夫) | あたま出版ブログ 禿頭席(とくとうせき)

あたま出版ブログ 禿頭席(とくとうせき)

あたま出版http://atama-pub.net/  のブログです。夫婦で書いています。

「読書の量と成績には関係がある」という人がいます。
「いやいや、関係がない」という人もいます。
実際どちらかはわかりませんが、それはさておき
私たち夫婦は本を読むのが大好きです(当然ですが)。

実は夫は、中学生になるまで家で本を読んだことはほとんどなかったそうです。夫の養育者だったおじいちゃん、おばあちゃんは明治生まれ。「子供に本を与える」という発想がなかったのかもしれません。

そんな夫が本を読むきっかけになったのは、中学受験を経てたいへんな進学校へ行った友人からの「暑中見舞い」でした。

「拝啓」から始まり、なにやら難しい漢字をたくさん使って立派な文章が書かれています。しかも最後に、「稚拙な文章で失礼いたしました。敬具」と結ばれてさえいるのです。
夫は「これは大変なことになった」とばかりに、とりあえず見たことのなかった「稚拙」という言葉の意味を辞書で調べました。こんなに難しい言葉がたくさん使ってあるりっぱな文章の手紙なのに、「こどもっぽくて下手」とはどういうことでしょうか。今なら「せいいっぱい背伸びをして書いたのだな」とわかるのでしょうが、当時の夫は「世の中にはこんなに難しい言葉を知っている、頭のいいやつがいるのだなあ。これは大変だ」と奮起して、たくさんの本を読むようになったのだそうです。

人生はどこに転機があるかわからないものだと思いました。