トラスト・ミー | 大原浩の金融・経済地動説

トラスト・ミー

備忘録:映画レビュー:観た映画
★トラスト・ミー
エイドリアン・シェリー 、マーティン・ドノヴァン、メリット・ネルソン、ジョン・A・マッケイ他
95点

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 「どこがいいのか?」と問われれば、これといった長所が無い映画なのですが、なぜか心惹かれます。冒頭の思いがけない「事件」や、最後の「爆弾騒ぎ」も含めて、平凡で退屈な物語です。

 それにも関わらず、伝わってくるものがあります。1990年の作品ですから30年近く前で、倫理観も少し古いところがあるのですが、狂信的なキリスト教徒が中絶反対を暴力的に主張するのは今でも同じです。いつごろかははっきり覚えていませんが、反対派が中絶する医者を射殺するという恐ろしい事件もありました。生まれてくるはずの赤ん坊の命を救え!と言いながら殺人を犯すのは自己矛盾ですが、そこが狂信者の恐ろしいところです・・・

 人生どん詰まりの二人の恋の物語なのですが「恋愛」といっても「ロミオとジュリエット」からは程遠く淡々としています。しかし、その淡々とした愛の方が深いような気がします。

 マーティン・ドノヴァンは、ハリウッド・ナンバーワンの「二枚目ダメ男」であるヒュー・グラントを思い起こさせますが、彼よりももう少し陰気で暴力的な設定になっています。

 エイドリアン・シェリーは、タクシードライバー(1976年)のジョディ・フォスターが「良い子」になっていく感じです。彼女が難しい言葉を覚えていくあたりは、「マイ・フェア・レディ」(1964年)的な要素もあるのですが、相手役はヒギンズ教授と違って仕事を転々としている「ダメ男」です。

 彼らの周りの人物も「捨てがたき人々」(2014年)のような、救いがたい人々ばかりですが、それでも視線は「やさしさ」に包まれています。

 ラストはハッピーエンドと言ってよいのかどうかわかりませんが、二人のきずなをしっかり感じさせてくれる良いエンディングだと思います。

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movies.yahoo.co.jp
 
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★2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏とシンクタンク「人間経済科学研究所」(Institute of Economics for Humans)を設立しました。HPは、https://j-kk.org/ です(English https://j-kk.org/english)

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