ミラノのストレスフルな風 | イタリアでモロッコごはん

イタリアでモロッコごはん

イタリア在住 リツコがモロッコ人と結婚を決めた途端、介護同居生活が始まり今に至るドタバタと、美味しいモロッコ&地中海料理について語ります♪

先週の金曜日、図書館で勉強していたら
イタリア人ママ友のLさんから

あなた、翻訳とかする??

とメッセージが。


よく仕事でやってるよ☆

とお返事すると


私の妹が仕事で
日本人で翻訳が出来る人を探しているの。
あなたの電話番号とメールアドレス渡してもいい??


というので、
どうぞ〜♪と快諾した。







家に帰って私と娘のランチを用意して
ゆっくりご飯を食べて携帯を部屋に取りに行くと
不在着信と新着メールが。


メールには

貴方に電話をしたけれど電話に出ず。
取り敢えず、原稿を添付したので
お目通し頂き、月曜午前中までに翻訳可能かどうか
お知らせ頂きたく、宜しくお願いします。



うーん、急いでるのね。



まるで
なんで電話に出ないんだよ、バカヤロー!
って言われたカンジね。



添付ファイルを開いて
3ページ程原稿を見ていると
また電話が鳴った。


切羽詰まった女性の声で

こちらの番号を上司のDr.ssa△△(Dr.の女性形)から頂き連絡差し上げております。
あ、あの、添付ファイル見て頂けましたか??
月曜日の午前中までに翻訳して頂けますか??


はい、今丁度開いて見ていたところです。
3ページ目まで拝見しました。


全部で27ページあります!
やって頂けますでしょうか??


はぁ…。



私は全部目を通して
出来るようであれば見積もりを出す
と返事をして電話を切った。


どうやらLさんの妹さんは
ミラノの会社のお偉いさんで
仕事を全て部下にふっているらしい。



私は27ページあるpdfを見てみて
すべてのページが文章で埋め尽くされて
いるのではない事を確認して
文字数を確認をして見積もりを出して
OKの返事をした。



私でも聞いたことあるような
大掛かりな展覧会を手掛ける会社で
現代アートの内容盛り沢山だった。



土曜日の午前中、また電話が鳴った。

翻訳の進行具合はいかがですか??


うわー、イタリア人が土曜日まで心配して
電話掛けてきたの初めてだよぉ〜。
普通、この辺のイタリア人だと
休日は仕事の事なんか忘れて遊び呆けているのに。

さすがミラノの世界を相手にする会社だね!


私は、月曜日の朝までに
必ず仕上げますのでご心配なく!

と言って電話を切った。


きっとイタリア人の中では
仕事の依頼を受けても
あ〜、ゴメンナサイ、出来ませんでした〜
と依頼主をガッカリさせる人もいるのだろう。


この緊張した女性の声を聞きながら
私の頭にはこんなイメージが浮かんだ。





きっと上司の言いつけを
部下がバタバタと走り回りながら聞いているのだろう。






月曜の午前中までに仕上げなかったら
タダじゃおかないぞ!!真顔





普通だったら緊急料金取っても良いところだけれど
友人からのお願いだったので黙っていてあげよう。




週末せっかくいいお天気だったのに
私は缶詰め状態で仕事をするハメに陥った。


最速でも日曜の夜中までかかって
午前2時に提出した。


朝早く、起きたらすぐに
切羽詰まった部下の女性から
お礼のメールが入っていた。


支払い用の書類をお待ちしております
と書いてあって、
最後までLさんのお姉さんという方からは
私にひと言も連絡は無かった。


やっぱり緊急料金取るべきだったかな??



身内からの紹介でも1言挨拶あってもいいんじゃね?
と思ってしまった私は
仕事をやり遂げても虚しさが拭いきれなかった。


私は本当に忙しくしていても
そういう小さな心遣いを忘れない
素晴らしい人達と仕事をしてきた。


忙しく、地位も高くなっていく人ほど
周囲への気遣いを忘れないものだ。


仕事に追われて我を忘れるのは
決して良いことだと思わない。


私は、私の選択で
自分を見失ってしまうくらい
忙しい仕事の世界から離れて

今やっと、自分のペースで
納得行く仕事に取り組めている。


これからも自分を見失ってしまう程
忙しい仕事の依頼を受けるつもりは無いけれど

どんな状況でも周囲への配慮を忘れず
自分を助けてくれる人と
気持ち良い関係でいられたらと思う。