西京極 紫の館

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戦国武将の御宅拝見45 - 筒井順慶 / 大和郡山城 -

2017年05月26日 22時43分25秒 | お城探訪
この城探訪レビューも45本目。
現存12天守も未見は青森・弘前城のみ。
これはさすがに気楽に「見に行こう!」とはいかない。
どっか近場で行った事のないお城はないかいな~と考えて…
あった、ありました!大和郡山城です。
先日行ってきました。

大和郡山城は天正8(1580)年に大和国の守護となった筒井順慶が築いた城。
順慶の死後、豊臣秀吉の実弟・秀長が大和・和泉・紀伊三カ国、
百万石余の領主となるとその政治的拠点として兄・秀吉の居城・大坂城に似た
天守を持った大規模な城郭として整備された。
秀長が死ぬと豊臣政権五奉行の一人増田長盛が22万石で入城するも
関ヶ原の戦いで長盛が属した西軍が敗れると、天守は破却され以後は再建されず。
その後は徳川親藩・譜代の大名である水野氏、本多氏が城主となり、
最後は柳沢氏が入って明治を迎えた。

奈良県内では最大級であり唯一の城と云って良いお城なのだ。

京都駅からは近鉄急行で45分。
大和郡山城のお濠のすぐ脇を近鉄の線路が走っている。

桜御門跡の石垣の脇になぜか山梨県甲府市の寄贈した碑があった。
 桜御門址
この謎は後ほど解き明かされる。


大和郡山城は内堀、中堀、外堀の三重の堀が穿たれており、
外堀の内に城下町を形成する惣構え。
その縄張りはJR郡山駅近くまでに及んでいてかなり広大。
 中堀
城跡公園として整備されているのは中掘から内堀・天守台までの区域で、
その半分ほどは県立郡山高校となっている。
 二の丸表門址は郡山高校の校内

城跡公園に入る道は二つ。
追手門から入るコースと柳沢神社を経由して天守台へ至るコース。
僕は柳沢神社を通るコースを採った。

天守台へ向かうのは後回しで脇道から内堀を渡り、
資料館である柳沢文庫へ向かってみた。
 内堀
その途中には極楽橋が架かっていた跡があった。
どうやら極楽橋を再建する動きがあるようだ。
 極楽橋址
つい先日も倒壊の恐れのあった天守台の石組みを組み直し
整備公開したばかりで自治体はお城の再建にはかなり積極的だと思われる。

柳沢文庫はあいにく本日休館日。
入場料200円を払っても中を見たかったが、まあ仕方ない。
趣きのある外観だけでも見学しておこう。
 柳沢文庫

そのまま脇道を通って追手門へ。
 追手門
この追手門(別名・梅林門)は1980年に再建されたもので、
豊臣秀長の家紋である(五三桐?)があしらわれています。
追手門の脇には左手に向櫓(先艮櫓)、右手に東隅櫓があります。
 向櫓
 東隅櫓
板張りで柿渋を塗った様なシックな櫓がカッコいい。


追手門をくぐると法印曲輪跡の広場で、
そこには明治期、日露戦争戦勝記念で建てられた県立図書館があります。

県の重要文化財で、今は何か教育機関のオフィスとして使われている様です。

そして昨年石組み補修された天守台。

この石垣には近隣の寺社から墓石や石灯籠などが大量に転用されていて
その量の多さは他に類を見ないほどだという話。
奈良には良い石材がなかったと言う事ですが、
この築城にあたって秀長はかなり無理をしたに違いない。
墓石やらお地蔵さまやらを使った祟りで秀長は早死にしたのでは…という伝説も。

天守台に上がるには、内堀に沿って柳沢神社側から行かないと入れないのだが、
この柳沢神社、徳川五代将軍・綱吉の側近として権勢を振るった
あの柳沢吉保が祀られている。当然神社のご利益は学業成就である。

吉保の領国は甲斐国甲府。それで桜門跡に甲府市の碑があったのか~、なるほど。

柳沢神社に参拝してから天守台へ。
天守台の北側にはお地蔵様がそのまま石垣に転用された『さかさ地蔵』が。
 
一応写真に撮ってみたんだけど…わかるかな~?
逆さま向いて奥に押し込まれてる。(写真撮っても祟られたりしないよね?)

天守台の上から東方向、追手門を望む。
なかなかの絶景。

もし秀長の建てた天守が現存していればさらに良い景色が見られたはず。
大和郡山市がいつの日か天守を再建してくれる事を願います。

天守の南面には付櫓があったらしく、
天守に上るにはこの付櫓を通らないとならなかった様です。
 この石垣に付櫓への進入口があったらしい

で城跡公園を後にしたのですが、
帰りは近鉄ではなくJRで京都へ帰る事にしました。
途中には外堀緑地という場所があり、
「ああ、こんなところまで城の惣構えだったんだ」と
大納言の居城・大和郡山の三重掘りと町割りの壮大さに思いを馳せました。
 

もっと一般的な評価が高くても良いお城だと思います。
奈良観光にお越しの際はもう一駅足を伸ばして是非お越しあれ!


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