ダクルインザ錠60mg | 病院薬剤師のメモ帳(現在は調剤薬局薬剤師)

病院薬剤師のメモ帳(現在は調剤薬局薬剤師)

元・病院薬剤師の日々学んだ知識等をメモ代わり使わせて貰います。
(H24/10/31で退職、11月から調剤薬局勤務)
日記も(愚痴も多いに含まれてくるので注意?)ぼちぼち気ままに書いていきます。

抗ウイルス剤/HCV NS5A複製複合体阻害剤


成分名:ダクラタスビル塩酸塩


禁忌
次の薬剤を使用中の患者:リファンピシン,リファブチン,フェニトイン,カルバマゼピン,フェノバルビタール,デキサメタゾン全身投与,セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品


効能効果
セログループ1(ジェノタイプ1 )のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変における次のいずれかのウイルス血症の改善
⑴ インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるい
は不耐容の患者
⑵ インターフェロンを含む治療法で無効となった患者


用法用量
1 回60mgを1 日1 回経口投与する。
本剤はアスナプレビルと併用し,投与期間は24週間


用法及び用量に関連する使用上の注意
投与開始時は,本剤及びアスナプレビルを同時に投与し,投与開始後は用量の変更及び投与の中断をしないこと。ただし,副作用の発現により投与の継続が困難な場合には,本剤及びアスナプレビルを同時に中断すること。投与再開の可否については,リスクとベネフィットを考慮して慎重に判断し,投与を再開する場合は,本剤及びアスナプレビルを同時に再開


重要な基本的注意
本剤及びアスナプレビルを併用した国内臨床試験において,肝機能障害が報告されている。投与開始12週目までは少なくとも2 週ごと,それ以降は4 週ごとに肝機能検査を行うこと


相互作用
本剤は,CYP3A4及びP糖蛋白(P-gp)の基質である。また,P-gp,有機アニオントランスポーター(OATP)1B1,1B3
び乳癌耐性蛋白(BCRP)の阻害作用を有する。


副作用
主な副作用は,ALT(GPT)増加45例(17.6%),AST(GOT)増加36例(14.1%),頭痛33例(12.9%),発熱30例(11.8%)等


薬効薬理
1. 作用機序
ダクラタスビルは,HCV NS5A複製複合体の強力かつ選択的な阻害剤である。HCV NS5Aは,HCVの複製及び細胞内シグナル伝達経路の調節に関与する多機能蛋白である。
2. 抗ウイルス活性
ダクラタスビルは,HCVレプリコンアッセイにおいて広範なジェノタイプに対して作用を有する。ジェノタイプ1a及び1bに対して,それぞれEC50値が0.003~0.050nmol/L及び0.001~0.009nmol/Lの強力な阻害作用を示した。また,ジェノタイプ2aに対して,EC50値0.034~19nmol/Lの阻害作用を示した。HCVレプリコンアッセイを用いた併用試験において,ダクラタスビルはアスナプレビルやインターフェロンアルファとの併用で相加又は相乗効果を示した。
3. 薬剤耐性
ジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者を対象にダクラタスビル塩酸塩及びアスナプレビルを併用投与した臨床試験において,SVR24未達成の患者では,無効時点で,概してダクラタスビルに対する耐性置換(NS5A-Y93及び/又はL31の置換)がアスナプレビルに対する耐性置換(NS3-D168の置換)とともに検出された。HCVレプリコン細胞をダクラタスビル存在下で培養した結果,ダクラタスビルに対する耐性が生じた。遺伝子型解析の結果,NS5Aの1 ~100番までのアミノ酸にダクラタスビルに対して耐性表現型を示す複数の置換が認められた。ジェノタイプ1bの場合,高頻度にみられた耐性置換はL31及びY93のアミノ酸残基であり, 1ヵ所のアミノ酸置換の場合,EC50値は野生型の30倍未満であり, 2 ヵ所のアミノ酸に置換がある場合(例えばL31V-Y93H),EC50値は野生型の1000倍超であった。
4. 交差耐性
ダクラタスビルの耐性置換を有するHCVレプリコンは,アスナプレビル,ペグインターフェロン アルファに対して十分な感受性を有していた。


C型肝炎の治療の薬剤の使い分けとかよくわからないなぁ

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