パンセ(みたいなものを目指して)

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籠池理事長の証人喚問

2017年03月26日 08時35分31秒 | あれこれ考えること

先週の籠池氏の国会証人喚問は視聴率が16%超え
国民の関心も高かったようだ
最初予定されていなかったテレビ放映らしいが
自分もネットで知ったNHKのサイトに放送依頼要請のコメントを送った

この証人喚問は思いの外おもしろかった
まずは、質問者がどの直地点を目指してどのように質問を展開していくか
その知的な作業としての行為が結果として目的を果たしているか、、
証人は制限のある中でどのように答えるか、、
この視点から生・録画で観察した 

誰でも予想できるように、与党は籠池氏が
3つの建築費の書類を作成していること、
天皇が来園していないのにホームページにはそのような記載がある事
寄付金振込用紙に安倍晋三記念小学校の本来使ってはならない言葉を使い
寄付金を集めていたこと
などから彼(籠池氏)は、その発言を信頼するに値しない人物というイメージを
与えたかったのだろう
しかし、結果的にそれが成功したかと言えば、確かにそれらの疑問点はあったが
テレビ画面を通して感じる籠池氏の存在感は、それらのことが主となる問題では無いような
印象を与えるに至った
つまり与党の印象操作は失敗し、話は収束どころか更に拡散してしまった 

籠池氏が言ってることは本当か嘘かわからない
ただ偽証罪を問われるあの場所で、何回も慎重に発言するようにアドバイスされた中で
言い切ってしまう度胸は、覚悟を決めた人物の迫力がある
おまけに、少し驚くような証拠の品(FAX)も出てきたし、あまりにも生々しい発言は
単なる虚言癖のある人の発言とは思えないようなリアリティがある
(しかしそれが本当かどうかはわからない)

ここで、与党の方たちは少しミスをしている
西田さんは森友学園の財務状況がそもそも認可申請が出来るほど
良くはなかったのではないか、、、と問い詰め
そこから間違いが起きたのではないか としたが
問題はそのような経営状態を理解し、心配していた審議会が「認可適当」となってしまったことの
不思議さを際だたせることになっている
どうも本人はこの失策をあまり感じていないようだが

また与党の葉梨さんは、前職のこともあってなかなか鋭い質問をしていた
ここでは籠池氏はノックアウト近くで追いつめられたかもしれない
(籠池氏が信頼に足る人物ではないという印象をあたえることは成功している)
しかし、また失策をしているように思える事がある
もっとも失策と感じていないから後日も同じ話を自民党の別の人物からも繰り返し述べられている
それはあの国有地が不当に安い価格で払い下げられたのではなく
豊中市の隣の公園も補助金等で結果的には2000万円程度で手に入れていて
森友学園だけが安いわけではない、、との話を展開している

しかし、この場合補助金等はその申請等は正確に厳しく審査されて、その上で
支払われることになったのだろうと思われるが
今回の問題はそのゴミの埋蔵自体が、第三者ではなく国が行い
適切に処理していると言いながら、ゴミの証拠となる写真は同じ写真が
片方は一部拡大などのミス《?》で信用できるものとは思えない
そして立ち会いのもと確認したというが、それは当事者の発言を信じる
ということにすぎない(本当に49.7%だったのか?地層的にもありえない話の理屈もある)
つまりは、誰もがこの経緯は異常だと感じている(その手続の異様さ、スピード感)
そのことを理解せずに、問題ないと発言していることは
森友学園の問題が何故大騒ぎになっているか理解していないように思えてならない

さて今回のハプニングのFAX
このFAXは「関与があったと思われても仕方ない」という解釈と
「ゼロ回答」で官僚の通常の返事に過ぎないという意見が対立している
そのどちらが説得力があるか
それを判断するのに元官僚の方々の実感としての意見を聞くとなかなか興味深い
この件に対する解釈は当たり前だが、自分の置かれている立場で大きく異なる
そのどちらが説得力をもつか、、、それを判断するのは、テレビを見ている国民
はたして国民はどのような判断を支持するか

ところで午前の参議院の証人喚問で突然明らかにされたこのFAX
籠池氏は持参しているつもりだったが、その時は手元になく
午後の衆議院のときには準備するような流れになった
ところが、衆議院の証人喚問の前にフジテレビはそのFAXを手に入れており
そのFAXに対する解釈も「ゼロ回答」の意見を述べる方を準備していた
随分手回しの良いことだ

このFAXの存在を官邸側は承知しており、この問題の解決法は
「ゼロ回答」の方針でいくと決めたのだろう
そしてフジテレビがその方針の最初のメディアとなったということだが
これは単なる偶然か、フジテレビの取材力が強力なためか、、
最近の産経新聞の論調や記事等から推察するに、ある種の方向性を感じる

記憶にとどめておくことは、フジテレビ・産経新聞はどちらを向いて
報道しているかを認識していくことだ
同様に朝日新聞はどちらを向いて報道しているかを認識することも大事
それぞれが自分たちの都合の良い解釈や証拠を挙げてくる
同じ案件を判断するのは受け手側だから、少しでも賢くならないと
わけが分からなくなってしまう

話は変わって、この森友学園の小学校が仮に気づかれることなく
粛々と進められていったとしたら、果たしてどういうことになったのか
と想像することは無駄ではないと思われる
この学園の心配な経営状態をカバーする「寄付金」
これが案外集まったのではないか、と思えてしまうのだ
教育勅語を良きものとして感じたい人たち、
古い国家感を取り戻したいと考えている人たち
(おそらく憲法改正したい人たちなど)
そういう人たちの集まりは、この瑞穂の国記念小学校を
壮大な計画のひとつ、足がかりとして作り上げたかったのではないのか
この人たちの集まりを一言で言ってしまえば「日本会議」
この日本会議の進めたい方向性を知らず知らずに進められていた
ということではないかと想像してしまう

「日本会議」については国内よりも海外メディアの方が平気(?)で扱われている
知らないのは自分たちだけかもしれない

またまた話は飛んで、ヤフーに「森友学園」と入力して、
リアルタイムで検索するといろんなつぶやきを見ることが出来るが
ここでは政治的な問題(格安払い下げ)の良し悪しよりは
国家観の違いによる意見相違が多く見られる 
そしてそのつぶやきで感情的になっているのは、、、寄付しそうと思われそうな人たち

何れにせよ、証人喚問は自民党の判断ミス(想定外になってしまったこと)は
間違いのないようだ 



 

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1 コメント

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次のステップでも解説を (ふかさん)
2017-03-27 16:19:10
パンセさん
初めてコメント致します。興味深く読ませて戴きました。正確に理解できていない私としては、最後迄観ていたが、自分の言葉では上手く表現できませんでした。ただ感じたのは、与党は籠池=いい加減男、と印象づけたかった。野党は、籠池理事長が喋りたい気持ちを上手く誘導していった。夫人付きの谷さんのFAXを事前に入手していた官邸がストーリーを描き、「逃げ切る」と判断して総理を動かしていると思う。悪だくみをした籠池理事長も悪人だと思うが、「もっと悪い奴がいる」という気持ちは分かる気がしています。又、何処かで解説して下さい。

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