ゴルフ惑星

一晩中雨が降った後の
朝イチのスタートは
雨の形跡が色々と残されて、
ハッとすることがよくあります　

バンカーにできた水溜まりに
カートが映っていました　

いないはずの故人が
カートに乗っている画像が
撮れるかもしれないと　
少し期待してカメラを向けました。

朝、スマホを操作していて
日付を見たときに　
忘れていた数字を思いだしました。
『あぁ、今日は誕生日だったね』

もし、生きていれば、
同じ年齢になっていたのに、
記憶の中の彼女は
19歳のままです　
一度だけ、乗用カートで
一緒にゴルフをしたことがあります。
30年前、国内では
ごく一部のコースしか
乗用カートでのプレーは
できませんでした　

少し興奮して、頬を赤くしながら
「カートって良いよね」
と、はしゃいでいたのも
思いだしていました　

大人になって、
幽霊が怖いとあまり感じないのは、
亡くなった親しい人たちに
会える可能性があると
考えられるようになったからだと
最近になって思います　

スピリチュアルな知り合いから
その夜に連絡がありました。
体調は大丈夫か、と聞かれました。
何か見えたのか、と
聞き返しましたけど、
曖昧にはぐらかされました　
「梅雨の季節には、
注意したほうが良いんだよ」

あっ、と思って
この画像をチェックしましたけど
不思議なことは
何もありませんでした　
ホッとして、少し寂しく感じました。
どういうわけか、
サザンの『いとしのエリー』が
流れてきました……

妻は検査入院しましたが、
検査結果はオールクリアで、
特に問題はみつかりませんでした　
本当に良かったと安心しています。
亡くなった人はある意味で永遠ですが、
共に生きているほうが
何倍も愛おしいのは幸運なことです。
週末は、ゴルフがなくなったので
妻と二人で過ごそうと思います　

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