先週の通勤時、自分の行動の理由について考えさせられた話、三題。
1.朝の通勤ラッシュ時、電車から降りるとき、足元に女性ものの靴が落ちていた。降りるときに脱げてしまったのだろう。ここでしゃがんだらこちらも倒れてしまうかと一瞬躊躇したが、この人混みに流されて困っているだろうと、かがんで拾い上げた。少し先を見ると女性が手を出してきている。その手めがけてリレーのバトンタッチよろしく靴を渡した。その後、彼女は人の波の向こうに消えていったが、無事靴を履くことはできただろうか。
幸い、自分まで転ぶことはなかったが、電車の乗り降りの時にしゃがんだりするのは危険。そんなこと、する必要があったか。紳士靴だったら拾ったか。
2.バス停に向かって歩いているとき、すでに数人が乗り込み始めていた。と、急に人の流れが止まった。不思議に思ったが、しばらくしたらまた動き出した。バスまで着いて驚いた。少し大きな鞄を持っているせいで入り口のステップが登れないお婆さんがいて、他の客がその横をすり抜けるように追い越して乗り込んでいた。お婆さんの荷物を持とうかどうしようかと一瞬躊躇していたら、私の前に並んだ女性が「お荷物持ちましょう」と申し出て、そのお婆さんも喜んで頼んでいた。勇気を出すのに先を越された格好となったが、「どうぞ」と言って手を差し出したら掴んでくれたので、そのまま乗り込むことができ、バスも無事出発した。
私の前の女性が手を貸さなかったら、そのまま私もすり抜けて追い越していたかもしれない。けれども結果としては手を貸した。
3.仕事帰り。下り列車でずっと立ちっぱなしだったのだが、運よく途中の駅で目の前の座席二つがあいた。優先席だったけど、まわりは私より若めの勤め人ばかり。私が座らなければ、私より若そうな誰かが座るだけだ。そう思ってさっさと座った。2つの席のもう一つには30代半ばの女性が座った。と、そのとき、今度は乗りこんできた客の中に年を取った女性がいた。気が付かないでいたら、同時に座った女性がその老女に向かって「どうぞ」と手招きしている。その女性が立ち上がって、座らるように促していたら、その老女の後ろから、旦那さんと思しき老人が現れた。「旦那さんもどうぞ」と、私も立ち上がって席を譲った。その女性とカップルのように思われるのも嫌なので、そのあとは離れて立った。
彼女が立たなければ、そのままにしていたかもしれない。けれども結果として席を譲った。ただし、優先席。単なる親切の便乗か。
さて、私のとった、3つの行動。これらは親切だったのか、それともおためごかしのことなのか。
おためごかし:表面は人のためにするように 見せかけて、実は自分の利益を図ること。
今回の場合、”利益”は自己満足に置き換えることができるだろう。
何もしなければ何も悩まないで済む
何の見返りも期待せず、何の計算もせずに行動する人が。
ハイヒールのバトンタッチ、いいですね。ドラマの始まりになりそう。瞬時にいろいろ考えたとしても、とった行動は素敵です。なかなかできることではありません。
バスや電車での親切の連鎖、これらも素晴らしいです。
任天堂とポケモンのコラボ。人に親切にすると新しいポケモンがゲットできる仕組みも取り入れてくれたら世の中、もっと平和になるのかなー。