職場のレジ横で入荷したばかりの大量の商品を検品しながら品出ししていた時の事。
店内には私しかおらず、客も少なかった。
その時、黒ずくめの女が入って来た。
歳の頃は50代半ばだろうか・・。

女は私の検品中の商品を品定めし、しかし選んでいる様子はない。
ちょっと店内を歩いてみては、再び私の所へ戻って来ては商品を触る。
「何かお探しですか?」と声をかけるも、「このブルーが好きなの」と答えた女は、またどこかへ行き、また戻って来るのを何度か繰り返した。

この女・・盗む気ちゃうか・・
私はTVで見た事のある万引きGメンばりに、女を遠くから、しかし見放さぬように追いかけた。
しかし店内には私1人で、そうそうこの女だけを追いかけているわけにも行かない。

何人かの客のレジを済ませ、ふと目の前を見ると、レジ前にあるソファに女は深く座っていた。
足を組み、私を見据えていたのである。
何とも言えない雰囲気の女である。
なんだろうか・・スナックのママの出勤前とでも言えようか、大阪ミナミの24時間営業のサウナでよく見かける職業不明の女と言えば分かりやすいだろうか・・
そんな私も、よく行っていた身であるが・・

客足が切れたところで、女が私に声をかけてきた。
「生活が苦しいのよ。お金が必要なの。ここで働かせてくれない?」と。
まさかの面接希望かーい!!
確かに、店の前には「バイト求む」て張り紙してあるけども・・
こんな入り方・・斬新やんか!!

「ならば履歴書持ってます?」と聞いてみたが、女は「仕事くれるの?」と聞いた。
「いや、それは店長が決めますからね・・」と答え、女は「じゃあ又来るわ」と言い、ヒラリと踊りようにお店から出て行った。

ある意味インパクトはある。

人気ブログランキングへ