義母のとりあえずの借家が決まり、後は2週間後の引っ越しに向け、週末だけ夫が手伝いに行っているのであるが、しかし未だ義母は年明け早々にでも買う家をまだ探している。
先日、不動産屋のサイトで見つけた物件が義母に合うものだったため、義母と見に行った。
ところが・・

その家はマンチェスターの病院に勤めるインド人女医の持ち家で、現在は女医の従妹人に貸している状態である。
家の中に入るや否や、何ともスパイシーな香りが漂う。
悪い臭いではないが、インド料理屋に入った時のような、思わずお腹の減る臭いである。

インド人の人が住んだら、そうか・・こういう臭いになんのか・・・そやわな、インド料理食べはるんやもんな・・。
そう言えば、昔インド人学生に家を貸した家主さんが、キッチンが凄い臭いになって、換気扇を取り換えても臭いが取れないという話を聞いた事があったが、やはり食文化は大きく家の中の臭いも左右するのかと実感した。

キッチンに入って行くと、その臭いは更に強くなった。
義母と立ち会った不動産屋のオッサンは怪訝な顔になり、「これは・・・全部壁紙から張り替えなあきませんで・・」という事になり、「値段交渉の余地あり」と言う事になったが、義母はその場で「キッチンの何から何まで入れ替えるならば、最初からこんな臭いの無い家を買う」と言い、交渉も何もせずに終わった。

カーライルに住む夫の友人女性で、昔横浜に3年住んでいた人が言っていたのであるが、「日本の空港に着くと味噌汁の臭いがする」と言った事があった。
いやいやいや・・・無い無い無い・・・あんな近代的な建物に降り立ち、味噌汁の臭いがするて・・・と私は否定したが、「いや、絶対そう」だと言う。
今も2年に1度は横浜を訪れる友人は、必ずそう言う。

結局、マンチェスターに住む女医の家主から「値段を3分の1にするから買ってくれ」と不動産屋を介して連絡が来たが、義母は「あの臭いが取れるのに、どれだけかかるか考えたら、買うのを躊躇してしまう。これは差別とか、そういう事ではないのよ」と言った。

そうか・・ほな、私が毎日換気扇をガンガンに回して作る出汁の臭いは、もしや近所の人から不快に思われているのだろうか・・と考えながらも、360度を牧場に囲まれた我が村は、今日も安モンの髪染めを嗅いだ時のような、あの鼻につんざく強烈な汚臭×100倍を放つのであった。
出汁臭より牛糞臭が勝つか・・・ならば、この臭いにも感謝である。

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