幼少期を除き、成人してから結婚式に招かれて行く際、私は着物か無難な黒のドレスを選んで参列する事が多かった。
イギリスに来て、「黒は結婚式にはアカンで・・」と言われるようになり、結婚式以外のパーティでのみ黒ドレスを着るようになった私。
カーライルにある冠婚葬祭のドレスを売る店で副店長をやっている親友に聞いても「昔はアカンかったけど、最近は黒でもエエと思うで」と言う。
ただそこに貴金属を付け、華やかさを出せばエエ、しかし老人は黒を良しとせーへんかも・・との事だった。

去年の末、夫の従妹の結婚式に出た。
義母、豪州時の嫁、私は揃って黒ドレスだった。
義母に「黒はエエのか?」と聞いたとき、「クリスマスシーズンの結婚式やったら、黒で華やかさがあればエエ」との事で黒を着た。

しかし今回、「6月の結婚式に黒はアカン」との事で、私は赤のドレスを着る。
生まれて初めて赤ドレスを買ったと思う。
買うたびに、「こんなん日本で絶対着る事ないわ・・」と思いながら買ったドレスが家にナンボほどあるだろうか・・
いつか日本に移住する事があったならば、このドレスは不要になろう。

私が22歳の時、とある人の結婚式に出た。
振袖で参列した私と友人は、ホテルのロビーにあるアホほど値段の高いコーヒーをラウンジで飲んでいた。
そこに会社の先輩登場。
黄色の普通のスーツ、黒のタイツ&黒の膝丈のブーツを履いて来た。
ブーツはエエんやろか・・
私はそう思ったのであった。

例えば学校で「これが正しい冠婚葬祭の服装です」と習う事も無く、「これは絶対にアカン」的な事を習う機会がないため、人はどこで冠婚葬祭の正しい身だしなみを習得するのだろうか。
女性雑誌などに「結婚式にはこういう感じが正解」と特集を組まれている事があるが、そこに掲載されている服装が自分の趣味に全く合わない事もある。

去年の6月、今回結婚する新婦の弟が結婚した。
その時、新郎の母親が鮮やかな黄色にトロピカルな花模様のドレスを着ていたのに対し、新婦の母親がベロア生地のスーツにスエードのヒールを履いていた。
2人の服装があまりにも違いすぎ、違和感があり過ぎた。

まあ人の結婚式には必ず1人、いやそれ以上は不釣り合いな恰好の人がいるのがまた、観察する身としては面白いのであるが・・
とりあえず、私も赤ドレスではあるが、インド人の結婚式には赤を着て行ったらアカン事だけは知っているので、今回の赤で恥をかく事も無いと信じたい。

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