うちの家の4件隣にもう2年ほど前から売りに出され、買い手が付いてはキャンセルになり、再売りに出されてはキャンセルになりを繰り返している家がある。
どんな人が住んでいるのか見る事もないが、ベンツとBMWが駐車されてあり、大きなバンが3台あるので、恐らく個人で事業されているのかと推測される。

ここの住人が変わったのは4年ほど前だったと思うが、2年ほど前だったか去年だったのか忘れたが、平日の昼間にこの家からバスローブを着て頭にタオルを巻き、たった今シャワー浴びました感満載の女性が玄関に立っているのを2度ほど見たことがあった。
凄い恰好で玄関に立つなと思ったのと、昼ごはんを終えた位の時間に何故シャワー?と思った事から、何か不思議な家族が住んでいるのかも知れぬと思っていた私である。

今日の午後、うちの旦那が息子を連れて家の前の公園で遊んでいたら、息子より年上らしき少年が1人で遊んでいたと言う。
旦那は「1人?」と声をかけた。
すると少年は「一緒に遊んでよい?」と聞いて来たため、息子と少年はしばらく一緒に遊んだ。

旦那は「君は見た事ないけど、どこの家の子?」と聞くと、「僕はここに住んでいなくて、そこの家にお母さんの彼氏が住んでいるから、週末になると来るの。でも、僕の本当のお父さんはマンチェスターに住んでいて、時々そこにも泊りに行くよ。僕はお父さんと会いたいけど、こっちの彼氏をお父さんとも呼ばねばならず、しょうがないけどね」と少年は言った。
彼は6歳半だと言う。
その彼氏の家こそ、この売れたりキャンセルになったりする家であった。

少年は「お母さんが外に行っておいで」と言う時は、こうして公園に来るか、2階でDVDを見ると少年は聞いても無いがペラペラと話してくれた。

そもそも、イギリスにおいて6歳の子供が1人で公園に来ている姿を見た事が無かった私は驚いたのであるが、少年は慣れている様子であった。
そうして少年はうちの家に来たいと言い、結局、息子と一緒に我が家に戻って来た。
うちの娘と同じ歳であったため、娘も加わり3人は意気投合、夕方5時半まで3人はうちの家で遊んでいた。

この間、母親が公園に少年の様子を見に来る事もなく、旦那がその彼氏の家に行き、「息子さんがうちの家に来たいと言うてますけど、良いですか?」と聞いた。
母親は「ありがとう。邪魔になったら帰して下さい」と言い、ドアを閉めたと言う。

娘が少年に「また時々こうして遊びに来たらエエやん」と言うと、少年は「お父さんの所に行っていない週末はね」と言った為、うちの娘が「お父さんと一緒に住んでいないの?」と聞いてしまった。
少年は「そうだよ」と答えた為、大人の事情が理解できない娘は「どうして?」かと戸惑った。
おっと・・これは娘には未体験の現実・・・
少年は優しい言葉で娘に「もしも君のお母さんが君のお父さんと住めなくなって、そのお母さんの彼氏がお父さんになる可能性もあると言う事さ」と言った。
娘は泣きそうな顔になり、「私は嫌だ」と娘が言った所で私は何気に話しをそらし、別の事で遊ばせた。

少年は「お母さんには彼氏との間に赤ちゃんが生まれた。生まれて5週間経った」のだと言った。
しかしながら「彼氏はまだ奥さんとの離婚が成立しておらず、家がなかなか売れない」という複雑な事情を語った。
たった6歳、強いぞ少年・・
少年よ、また来てくれたまえ!!

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