先週末、息子のスイミングスクールに行ってきた。
学校のクラスメイトの男の子も同じスイミングに通っているのであるが、そのお母さんが見慣れない赤ちゃんを連れて来ていた。
私は「あら可愛いねー」なんて声はかけたが、誰なのか?とか関係性は聞かなかった。

月曜日の朝も放課後もバギーにその赤ちゃんを乗せて来る姿を見かけ、噂好きの母親らが「あの赤ちゃん誰?あの人、妊娠なんかしてなかったわ」などと言い始めた。
私は「甥っ子とかじゃない?」と答えて気にしていなかったが、田舎人はそれを放置できない。

月曜の午後、娘のクラスメイトの誕生日パーティがあった。
そのお母さんの上の子がうちの娘のクラスメイトであるため、再びここで顔を合わせたが、はやり赤ちゃんを連れてきており、かいがいしく世話する姿が見られた。
タッパーに小分けして来た手作りらしき離乳食を与え、ミルク、オムツ替え・・事情があって、親戚の子か友人の子を預かっているのだろうなと私は思ったが、遠巻きに見ていた保護者の1人が興味本位で「その赤ちゃん誰?」と聞いた。

聞かれたお母さんは「うちね、フォスター登録したのよ」と言った。
「フォスター」とは実子でない子供を短期間、お世話する仕事であり、英国の市民権を持ち、21歳以上であれば応募でき、仕事として給料が支払われる。
施設で育てられるよりも、一般家庭で惜しみない愛情を与えられる方が、今後、養子縁組をした際に新しい家族に馴染みやすいというのも1つの理由である。

「この子は今10か月なんだけど、生後2週間で母親が子育て放棄してね。それから本当の家族が決まるまでの間、私達のようなフォスターを転々とし今に至るの」と言った。
夜中3時に起きるだけで、後はお世話が本当にラクな赤ちゃんなのだと言っていた。
「泣かないの。お腹が空いても1人で起きて遊んでいて、昼間も泣いた事がない」と言った。

このお母さんファミリーは今回が初めてのフォスター経験であるため、この赤ちゃんを10日間だけ預かる。
その後は新しいフォスターに預けられ、生涯の家族が見つかるまでファミリーを転々とする。

「情が湧かないか?」と皆が聞いた。
「本当の家族が見つかった時、手放せなくならないか?」と聞いた人もいた。
お母さんは「預かる子供に1日でも早く素晴らしい生涯の家族が見つかる事が最優先。それまでにフォスターが出来る事は愛情と家族の温もりを与える事、それがフォスターの仕事だから」と言った。

「旦那の愛人の子じゃないのか?」などと噂していた母親が、一番「素晴らしいと思うわー!!私は無理だけどー!」と頷いていた。
ホンマに思とんかい・・この女、信用出来へんわ・・遠ざけリストに乗せておく。

人気ブログランキングへ