喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

樹のある暮らし ~父が植えた珊瑚樹~

2018-06-12 | 感動


 わが家を隠すかのように大きく枝を張った樹がある。
数年も刈りこみをしていないのどんどん大きくなっている。
 夏は木陰をつくり涼しく、風呂の目隠しにもなっている。

 以前から、「何の樹かな?」
と思っていたが、父の話でようやく分かった。


 この樹は、珊瑚樹(サンゴジュ)。

 常緑高木で、樹高は6m~10mにもなる。
海岸付近の湿地にはえ、また防風、防火林あるいは庭木、街路樹として栽植されている。
 国内では関東南部以西、朝鮮半島、台湾、インド、インドシナ、フィリピンなど暖帯から亜熱帯に分布する。
 
 「珊瑚樹」の由来は、果実が秋に赤く熟すので、それをサンゴに例えて名付けられた。

 厚く水分の多い葉や枝が火災の延焼防止に役立つともいわれ、昔から防火樹として使われてきた。
また、大気汚染にも強いと言われ、極めて環境適応力があり、
耐陰性、耐乾性、耐湿性、耐煙性、耐潮性、耐火性、耐風性などいずれも強く、
劣悪な環境に適応する数少ない樹木の一つとされている。

 植栽のポイントとしては、庭木としては円筒形となる本来の樹形を生かして背景樹や目隠しとして植栽される。
また生垣としての利用も多く、高生垣としてきちんと刈込みを行なうと、濃い緑色のウォールのように仕上がる。

 花や実を鑑賞する場合は、独立木の自然樹形が良い。
 
 葉は対生し長さ10~20cm、革質、滑らかで光沢がある。
開花時期は6月~7月で白い花が多数咲く、7~10月に紅い実をつける。 

        「世界の木材、樹木 サンゴジュ 木の情報発信基地より」



 父が語ってくれた。
「この樹は、珊瑚樹と言うがよ。
 オラが31歳の時、この鉄筋の家を建てる時に、
えびすのたね(谷)の河口から、葉っぱがかわいかったけん、持って帰ったものよ。
 その時は、まだ1mの高さもなかった。
それが、こげ大きくなるけんの。
 あれから、47年が経つの。」


 話を聞いて、心がジーンとなった。
 父は、母親のために建てた隠居部屋の前に植えようと、平礒の浜から持って帰った珊瑚樹。
私の祖母はもう亡くなりいないが、この樹は、我が家をずっと見守ってきた。

 樹のある暮らし。

 ふるさとには、思い出多いものがたくさん残っている。

       
                岬人(はなんちゅう)
 


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