熟メン茶々丸の「毎日が美びっとカルチャー」

ピカソは本当に偉いのか?

ピカソは本当に偉いのか?美術ファンなら、衝撃的なタイトルですが、美術に対してさほど興味のない方なら、疑問を持つ問いかけだと思います。

著者の西岡文彦氏は、版画家で多摩美術大学教授。本書は、著者の学術的な視点と芸術家としての視点の二つの視点から、もっとも身近な存在であり、かつ難解なピカソ芸術を通じて、絵画の本質に迫っています。

前半では、絵に興味のない人でも、誰もが知っている、絵のタイトルは知らなくても、なじみのあるキュビスムの傑作「アヴィニョンの娘」を通して、タイトルの本当に偉いのか問いてます。中半では、ピカソの生涯を紐解きながら、タイトルとは異なるピカソ芸術の全貌に迫り、読むだけでピカソのことが詳しくなり、ピカソを通じて誰もがアート通になってしまう内容です。

そして、後半のタイトルへの結論は最後の40ページ程ですが、答えを言えば、芸術家としての技量や感性、アートビジネスのおけるマネージメントと、すべてにおいて、他の芸術家をしのぐ偉大さを持ち合わせた天才であることがわかります。

絵画を知らない人も、人間ピカソを知ることで、芸術の扉は開かれると思います。その意味でも本書は、最適かつ最良の書と言えます。


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