生える心情と、生えない心情 ~豊田市小渡町のコケ散歩~ | Kokegurashi(こけぐらし)

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「道ばたに生える、苔の気持ちを考えてみる」
愛知県豊田市旭地区から
身近なものの大切さをかみしめる穏やかな暮らしかた、
「こけぐらし」な日々を発信しています。





色あせた欄干の上に


コケはほとんど生えていない。










しかし足元のコンクリート部には


コケは豊かにはびこっている。









そこには、


その橋の始まりから終わりまで、


生えられるところには生える、


という気概が見て取れる。









コンクリート部には生えるのに、


金属部には決して生えることはない。






もちろんそこには材質の違いがあって、


定着するのに十分な凹凸や


含まれる成分の違いなんかが


関係しているのだと思う。






けれども感情のある生物である僕としては


そこに何らかの感情が働いているのではないかと


勝手ながら想像せずにはいられない。






欄干部はかつて、


鮮やかなエメラルドグリーンだった。






そして今は、


適度に地肌が垣間見られる


美しく色あせた表面。






一方の足元は単調なコンクリート。






コケたちは単調なコンクリート部に


その「生活」で色(アクセント)を添えつつ、


鮮やかな欄干部には決して触れないようにして


控えめに生きているのかもしれない。






この感性はもちろん、


他ならぬ人間である僕の


一方的で自分勝手な想像に過ぎないのだけれど、


これまでコケという植物を見てきた結果、


コケにはそういう謙虚さがあると思ったのだ。





それを望んだか望まなかったかは別として、


望むと望まざるとにかかわらず


そうしてしまう習性。






「我」があるにもかかわらず、


それを決して押し通すことのない、


あるいは、どうしても押し通すことのできない


悲しい習性。






いかにも人間的な、


遠いようでいて近い植物、コケ。






そして散歩は続きます。






つづく







苔の気持ちに寄り添う詩、

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