ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

脳の冒険

2015年04月25日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 DVDでなかなかの快作を鑑賞しました。
 フランスの大御所、リュック・ベッソン監督の手になる脳の覚醒を描いたSF映画、「ルーシー」です。




 雰囲気は監督の初期の名作「ニキータ」に似ていますが、内容はかなり異なります。



ニキータ [DVD]
アンヌ・パリロー,ジャン=ユーグ・アングラード,ジャン・レノ
角川書店

 台湾に滞在するルーシーは、ひょんなことがきっかけで、韓国マフィアによって新しいドラッグ、CPH4を腹に埋め込まれ、運び屋にさせられてしまいます。
 しかし韓国マフィアに腹を蹴られたことから、ビニール袋に入ったドラッグが漏れ、ルーシーはこのドラッグによって恐るべき能力を得るのです。
 
 同時並行して脳科学者の講演が挿入され、人間は脳の10%しか機能しておらず、これが20%、30%と上がっていけば全く未知の知覚を得、能力を獲得するであろうことが示唆されます。

 ルーシーはほとんど超能力者のような存在と化し、画面には大写しで40%とか60%とかが表示され、彼女が激しい脳の冒険に出かけたことが示されます。

 その間、韓国マフィアとのあり得ないくらい激しい戦いがあったり、はるか原始時代、あるいは地球誕生前の宇宙の幻視を観たりして、なかなかに変化が激しく、エキサイティングな映像美をみせつけちゃってくれます。

 ルーシーの脳の冒険の終わりは、ついに100%の脳細胞が活性化し、同時に目に見える肉体を失い、世界に遍在する神のような存在になる、というお話。

 脳科学者との対話で、数学的理論や物理学的法則はこの世の本質ではなく、一種の幻のようなもので、世界の本質とは時間に他ならず、時間がなければ何者も存在しえない、と述べたあたりは、人間にとってもっとも不可解なのが時間であるからで、やや姑息な感じを受けます。

 馬鹿馬鹿しいといえばそれまでですが、哲学的命題を見飽きないアクションSFに仕上げるあたり、リュック・ベッソン健在を感じさせて、幸福なひと時を過ごせました。

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スカーレット・ヨハンソン,モーガン・フリーマン,チェ・ミンシク,アムール・ワケド
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