DVDでなかなかの快作を鑑賞しました。
フランスの大御所、リュック・ベッソン監督の手になる脳の覚醒を描いたSF映画、「ルーシー」です。
雰囲気は監督の初期の名作「ニキータ」に似ていますが、内容はかなり異なります。
ニキータ [DVD] | |
アンヌ・パリロー,ジャン=ユーグ・アングラード,ジャン・レノ | |
角川書店 |
台湾に滞在するルーシーは、ひょんなことがきっかけで、韓国マフィアによって新しいドラッグ、CPH4を腹に埋め込まれ、運び屋にさせられてしまいます。
しかし韓国マフィアに腹を蹴られたことから、ビニール袋に入ったドラッグが漏れ、ルーシーはこのドラッグによって恐るべき能力を得るのです。
同時並行して脳科学者の講演が挿入され、人間は脳の10%しか機能しておらず、これが20%、30%と上がっていけば全く未知の知覚を得、能力を獲得するであろうことが示唆されます。
ルーシーはほとんど超能力者のような存在と化し、画面には大写しで40%とか60%とかが表示され、彼女が激しい脳の冒険に出かけたことが示されます。
その間、韓国マフィアとのあり得ないくらい激しい戦いがあったり、はるか原始時代、あるいは地球誕生前の宇宙の幻視を観たりして、なかなかに変化が激しく、エキサイティングな映像美をみせつけちゃってくれます。
ルーシーの脳の冒険の終わりは、ついに100%の脳細胞が活性化し、同時に目に見える肉体を失い、世界に遍在する神のような存在になる、というお話。
脳科学者との対話で、数学的理論や物理学的法則はこの世の本質ではなく、一種の幻のようなもので、世界の本質とは時間に他ならず、時間がなければ何者も存在しえない、と述べたあたりは、人間にとってもっとも不可解なのが時間であるからで、やや姑息な感じを受けます。
馬鹿馬鹿しいといえばそれまでですが、哲学的命題を見飽きないアクションSFに仕上げるあたり、リュック・ベッソン健在を感じさせて、幸福なひと時を過ごせました。
LUCY/ルーシー [DVD] | |
スカーレット・ヨハンソン,モーガン・フリーマン,チェ・ミンシク,アムール・ワケド | |
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン |
LUCY/ルーシー [Blu-ray] | |
スカーレット・ヨハンソン,モーガン・フリーマン,チェ・ミンシク,アムール・ワケド | |
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン |