往年の名女優、原節子が9月に95歳で逝去されていたことが報道されました。
戦前から戦後を代表する女優と聞き及びますが、私はDVDで「東京物語」を観ただけです。
何しろ42歳で引退してしまっているので、私が生まれる前にすでに女優ではなくなっていたことになります。
一説には敬愛する小津安二郎監督が死去したことがきっかけとも言われていますが、実際のところは謎のままです。
「東京物語」今も高い評価を得ている、まぎれもない名画でしたが、原節子のお顔はバタ臭すぎて、私はあまり美人だとは思いませんでした。
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私が興味を持つのは、引退してからの53年間にも及ぶ長い人生です。
生涯独身だったそうですが、それは恋愛関係にあったと噂される小津安二郎監督を慕ってのことだったのか、あるいは別の理由があるのか、それは分かりません。
前半生をスター女優として過ごした人が、後半生をどう過ごしたのか、全くの謎ですが、興味をそそられます。
その心境、たっぷりとある時間、早すぎる引退は46歳で現役サラリーマンを続ける私には羨ましくもあります。
長い引退後の人生に想像力の翼を広げ、どんなものであったのか空想するのは楽しいものでありながら、どこか痛ましい感じもあります。
ご冥福を祈ります。
それはスターとしての人生よりも、地味ながら味わい深いものであったのか、あるいは老醜をさらしたくないが故の矜持を保つための意地だったのか、どちらなんでしょうね。