健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

成人期の読字学習で脳が変容

2017-06-04 08:30:23 | 研究
30代になってから文字を読むことを学んだインド人女性らを対象とした調査で、人の脳が自らを再編成して変容させる驚くべき能力を備えているとする論文がScience Advancesに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、文字を読むことを処理する脳の部位について調べるため、非識字率約39%のインドで女性らを対象に調査実施。研究開始時、女性らの大半は母語のヒンディー語の単語を読めなかったそうですが、6か月に及ぶ訓練の後、女性らの識字能力は小学1年生相当のレベルにまで達したそうです。新しく言語を習得するのはかなり難しいそうですが、その一方で、文字を読むことははるかに習得しやすいとのこと。この言語習得時に、変容が生じた主な部位は大脳皮質ではなく深部の領域、特に脳幹と視床だったそうです。視床は、様々な感覚情報の中継店として作用しています。また、これらの影響を受ける部位に伝わる信号が増えるほど、読字力が向上することも確認したそうです。今回の研究成果は、失読症(ディスレクシア)の治療に示唆を与える可能性があるそうです。一部の研究者らは、視床の機能不全を失読症の原因として挙げているということです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3129539
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