『一生未熟』

貴方はご自分が怒った時その理由を人に説明したい思いに駆られる時がありませんか。

それは自信のなさから来る行為なのです。
説明と自分では思っていても実はそれは単なる言い訳に過ぎません。

したことを他人が如何に評価するかは誰もが気になるところですが、すでに口から出た言葉や
行為は潔く自らが認めるべき事。
とやかく考えるのはみっともない様子である事を知るべきです。
再び繰り返すべきことではありません。

事は完了！
それなのです。

以前、僕は心にある事は口に出すべき。
そう信じて実行して来ました。
それで良いとばかり増長して行ったのです。

しかし、成長するに従いその行為に確信がなくなって行きました。
云いたい事を云う、それは幼稚な振る舞いと気が付いたからです。
それもかなりかなり歳を経てからのことです。

人の気付きは何時訪れるか知れません。
また一生気付きのない人もいるのです。

名言や格言には人の心を掴むものが溢れています。
人から受けた厚意は忘れるな。
悪意や好ましくないことはされても忘れろ。

これは不思議と最初から心に染みました。
しかし、「人の悪口は言うな！」これには反発があったのです。

悪口と非難は別物！
根拠のない中傷とは違うものだ。
本気でそう信じていたのです。

しかし、それも違うのです。
人が人を裁き、評価するなど実は許されないとんでもない思い上がりでしかありません。

もしも許される悪態があるとするなら「バ～カ、カ～バ・チンドン屋」どまりにしましょう。
それならまだ罪がありません。

それを胸に置くようになってから何か口論も少なくなったように思えます。
それを云ってどうなる？
云わずともどうなるものでもないじゃないか。

云わぬ方が余程増しな事も知りました。
恥ずかしながらそれに気付いたのも７０歳を越えてからなのです。

人間一生が修行。
そしてそれは永遠に終わりのないものなのです。

塾長成嶋弘毅

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