新しい劇場だが、一度行ったら妙に客層が違い

家から一番近いのに敬遠していた

でも、上映館上映時間が少ないので、

早起きしてTOHOシネマズ上野へ

 

    北の桜守

 

 

戦前から樺太に住む家族、

夫阿部寛、妻吉永小百合、幼い息子が二人、

戦時中も本土ほどの被害もなく、平穏に暮らしているが

ソ連の対日参戦により状況が劇的に変わる

 

軍隊に取られる夫、空爆を避けて、網走を目指す妻子

そこから妻の過酷な人生が始まるわけだが

 

時代は飛んで、1971年、札幌でコンビニを開業する次男

なかなかのやり手社長で、部下にも手厳しい

アメリカで出会ったらしいイマドキ美人妻と順風満帆だが

ある日、網走の役所から連絡が入る…

 

15年前に、追い出されるように離れた母親との再会、

当時の極貧生活そのままに、母親はボロボロの食堂を営む

 

ボケているのかいないのか、

ほんの少し様子のおかしい母親を自宅に連れ帰るが

母親は戸惑い、親子もお互いに空回りしつつ、

ついには、家出をしてしまう

 

母親を探し出し、旅を共にすることで

過去を検証していくお話、と言えるんだけど、

これが思ったよりも凝った作りになっていて

 

うがった見方をすれば、

予算の都合上かとも思える戦時中の舞台仕立ても、

唐突ではあるが、実写との繋ぎがうまく納得もさせられる

 

父親がどうなったのか、長男はいったい、とか、

ベタな話運びはわかっているはずなのに、

まんまと引き込まれるのはなぜなんだろう

 

堺雅人の強引な社長ぶりと母親への愛おしさのせめぎ合い、

篠原涼子の勝気な妻の持って行き場のない思いも、

小さなホームドラマにならない広がりにつながる

 

それにしても小百合さんは、まさにおばけ、

若い頃のシーンは、まぁ、若作りするにしても、

(実際阿部寛って息子ほどの歳じゃないか??)

(以前、浅野忠信相手でさすがに無理を感じたが)

老けたはずの再会時も、むっちゃ若いっっ

 

大きなスクリーンの鮮明な画像で見たって、

あまりに肌もキレイだし、シワもたるみも少ないし

むしろかなり汚しが必要だろう

 

今、30歳になる長女が赤ん坊の頃、

ウチの元夫くんが末端スタッフでご一緒に仕事中、

会社恒例のソフトボール大会に応援に来てくださって

長女と一緒に写真に収まってくださったが(家宝)

その頃とまっったくお変わりないんだものっっっ

 

今作が120本目との謳い文句、

良妻賢母の役を求められ、近頃は同じような役ばかりで

ヒット作にも恵まれてない気もするが、

ご本人はとっくに突き抜けたところにいらっしゃるんだろう

 

だから、この役の母親も、どこを切り取っても小百合さん、

なんだけど、どこを切ってもおそらく、

当時を生き抜いた、すべての母親なんだろう

 

戦中戦後、自分のためよりも子どものため、家族のため、

犯罪ギリギリ、否、それ以上のことをしたとしても、

なんとしても命を守り抜いた母親たちに敬意を払って、

 

そして、樺太という近くて遠い地を思いつつ、

桜に託す思い、映画に託す思い…

 

終わってから、混んだエスカレーターで、

後ろの不思議なおっちゃんおばちゃんカップルの会話

 

どうだった??

 

よかったわぁ、

期待してなかったんだけど、すごくよかった

 

そうか、そりゃよかった、

おれぁ、なんだかよくわかんなかった…

 

 

男は母親には優しい、けど、

女の生きる、生き抜く根性はわからないらしい、

ま、それはそれでいいんだけどね〜

 

 

 

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