生まれて初めてやったRPGは、
ドラゴンクエストⅢだったと思います。

小学生の頃、初めてそのジャンルのゲームに触れ、
物凄く興奮した記憶がある。





それまでは、
パズルゲームやアクションゲームがメインで、
オセロや将棋の延長としてファミコンをやっていたと思います。

ファミコンのゲームは難しく、
基本、全面クリアすることはなくて、
その時間を楽しめればいい、という感覚でゲームをやっていました。

トランプをやる代わりに、
テトリスをやるイメージ。







そこに出てきた、RPGというジャンル。
セーブという概念。

小学生だった私は、それにドはまりしました。




1日の終わりにセーブをすると、
次始める時に、続きから出来る。


今となっては当たり前の機能なんですが、
これに初めて触れて、ひどく興奮したのを覚えています。




自分のキャラクターが育つ!
物語が進む!


昨日まで倒せなかった敵が、
地道なレベル上げを重ねることで、

そのうち倒せるようになる!





コツコツとした積み重ねが、
必ず、確実に報われる世界。


オセロや将棋とは全く違う、新しい世界のゲームだ!

これは革命だ!と。









登下校の時、友達にその面白さをよく語っていました。


「仲間の名前や職業を自由に決められるんだ。
オススメは戦士と僧侶と魔法使いらしいよ。」


「自由に選んでないじゃん。」




「死んだと思っていた父オルテガが、
実は生きているらしいんだ。

別の村でポカパマズって名乗ってるみたいなんだ。」


「ポカパマズ……」





「ピラミッドでおうごんのつめを取ると、敵がいっぱい出てくるんだ。」

「じゃあ取らない方がいいね。」






全然興味を示さない友人に、
私は一人興奮して喋っていた記憶があります。


時代変わるぞ!というトーンで、
まだ10年も生きていない小僧が熱量を持って喋ってた。

お前は、時代の何を知っているのだ。









特に、魔法使いがベギラマを覚えた頃はひどかった。

ベギラマは、
敵を複数攻撃できる魔法。


覚えた直後の威力は凄まじく、
何匹も個別撃破する必要があったモンスターたちを、
一瞬で葬り去ることが出来た。



ピロリロ!という効果音とともに放たれる魔法。

次々と倒れていく目の前のモンスター。


散々苦労させられてきた敵たちが、
立ちどころに経験値となっていくのです。











「ベギラマ。マジかっこいい。」


「本当にベギラマはヤバい。」


「ベギラマに惚れる。」


「そもそも名前が良い。声に出して言いたい。ベギラマ。」






そのうち、生まれ変わったらベギラマになる、
とか言い出すんじゃないか、というテンションで喋ってた。

覚えてる。
あの頃、私はベギラマについてばかり考えていた。







友人は、飽き飽きしていたんでしょう。

ゲームの、何が楽しいんだ、と。


キャッチボールや、
サッカーの方が楽しいじゃないか、と。

鬼ごっこでも、
トランプでもいい。


TVに向かって黙々と作業をするあのファミコンが、
そんなにも楽しいのか、と。


そんなことを思っていたのかもしれない。












だから、私に言った。




「ベギラマの、何がかっこいいの?」


「ベギラマを唱えると、敵がみんな一瞬で死ぬんだ。」


「炎が出るの?」


「画面は変わらないよ。どんな魔法も画面が一瞬光るだけだよ。」


「音が違うの?」


「音も一緒だよ。魔法ごとに違う音は出ないよ。」


「じゃあ、それのどこがかっこいいの?」









私は、
冷静になった。

ドラクエやってない人に、ベギラマの良さを伝えるのは不可能だ。


だって、友人はこんなにもイライラしてるじゃないか。




それ以来、ベギラマの話をするのをやめた。


そうすると、ゲームをやる回数が減り、

そのうち、
【おきのどくですが ぼうけんのしょ は きえてしまいました】




















…………学びのある事件だった。


興味のない人に、
ベギラマの話ばかりしてはいけない。



興味のない人に、
ベギラマの話ばかりしてはいけないんだ!























やっぱり話すなら、
ギガデインの話ですよね。

人気ブログランキング に参加してます。
↓薄々気付いてんだけどなぁ。
人気ブログランキングへ
Twitterボタン