私が二十代後半から三十代序盤まで在籍したレストラン、
「N36.5（エヌサンロクゴ）」です。
（「N36.5（エヌサンロクゴ）」とは金沢市の北緯です。）
金沢・野々市を見下ろすように建つこのレストランは、
自分で言うのも何ですが
それはそれはオープン前から注目度が高く、
開業から約２ヶ月間
ワタクシ、休み無しの忙しさでした。
とにかく、開店前初期研修が大変でした。
今でもこの店の初期教育研修を越える内容のものは
ちょっとやった記憶が有りません。
例えば、オーダーは全て「イタリア語」。
イタリア語で数字が言えないと仕事が出来ません。
料理、食材、ワイン、その他にも色々と必要な知識。
勿論サービスマンとして「おもてなし」のマインドを具現化するのは当然。
レストランのオペレーションの仕組みも
当時の金沢では珍しい方法だったと思います。
一言で言えば、
サービスマンを「職人化」することを目指した仕組み作りを目指しました。
とにかく中身が濃く、
専門的知識・技術訓練、シミュレーションなどを
連日繰り返し実施したのを覚えています。
フランス料理店や
フレンチベースのホテルのメインダイニングは有りましたが、
「本格的イタリアン・リストランテ」自体がまだ金沢に無い時代。
今でこそ金沢で草分けですが、
当時は、必死。
開業に先立ち
イタリアに２週間、
東京・青山の「サバティーニ」に３ヶ月間の研修。
イタリア料理店の有るべきサービスを叩き込まれ
金沢に戻ってからは開業準備でバタバタの毎日。
なんとかスタートしてからも
お客様から様々なご指摘、ご意見、ご指導を頂き、
店内でも議論が尽きない日々。
連日、試行錯誤・・・。
本場イタリアに有るような店、
☆付きレストランに近づけるような店・・・
・・・そんな店を北陸・金沢で確立するため、
確固たる信念も有りました。
「革新者意識」が常に有りました。
だからこそ、
大事に守り続けられていることは今でも守られていますし、
新たな試みもどんどん取り入れられているようです。
まさに、浅田屋さんが大事にしている行動規範「温故知新」。
２０年の時代を超えて尚、
やはりトップクラスなクオリティだな～・・・と感心しました。
・・・さてさて、
話しを元に戻します。
本日をもってこの看板は取り替えられます。
経営者が、そして店名が変わります。
今日は、
ささやかですが自分なりの気持ちで
後輩や、元同僚等の皆なに
激励に行って参りました。
様々な撮影に使用されたアプローチ階段。
パーティルーム「アンジェロ（天使）」
この場所で
全盛時は年間１００件のレストランウエディングをこなしました。
お陰様で、鍛えられました(^_^;)
綺麗な水が張られたプール。
プールサイドのパーティも色々多かった。
何を隠そう、私もこのチャペルで挙式を。
在籍した５年間。
冬場を除く出来るだけ毎日、
朝１０：３０からと、
夕方５：３０からの一日二回、
この芝生に水撒きするのがワタクシの習慣でした。
いまでは以前とは比べものにならないくらい
植物の種類が増え、
大きく成長しています。
テーブルセットも昔と変わっとらんのやな～。
（元同僚や後輩以外、大半の方は顔も名前もわかりませんが）
とてもスマートでしっかり行き届いたサービスをされていました。
歴史が受け継がれている、
それどころか着実に進化している様子を見て
嬉しい気持ちでしばしの時間を過ごさせて頂きました。
自分が何かで迷ったとき、
そんなときはまた、
訪れてみたいと思います。
さてそれでは、
「N36.5」として最後のランチメニューを・・・。
ところで「365」っていう数字で
あなたは何を思い浮かべますか？三 (/ ^^)/→
