院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

洋菓子との出会い(4)(無塩バター)

2014-09-20 00:09:49 | 食べ物
(三省堂刊。)

 洋菓子にはバターをよく使います。前述のレシピ本には、「バター」のところが何故かわざわざ「無塩バター」と書いてありました。そこで自宅のバターを見てみると、随所に「有塩」と記してあるのです。ふつうにバターを買いに行くと「有塩バター」を渡されることが分かりました。

 思うに当時の日本では、バターはトーストに塗るしか用途がなかったのでしょう。だから、あらかじめ塩が入れてあったのだと思われます。クッキー作りにはバターをふんだんに使いますから、先述の手作りクッキーのお母さんは、無塩バターが手に入る店を知っていたのでしょうね。

 東京だけの現象かもしれませんが、昭和30年代からパン食が飛躍的に普及しました。それまでは、朝食はご飯にみそ汁と決まっていました。

 当時の俳句に次のようなものがあります。

    朝刊とパンとコーヒー風五月  浅野右橘

 この俳句はいま見ると当たり前ですが、昭和30年代にはかなりセレブに感じられたことでしょう。作者の故浅野右橘氏は私の俳句の師で、この俳句は写真の稲畑汀子編「ホトトギス新歳時記」の「五月」の項に載っています。

 コーヒーは、最初はマックスウェルのインスタントコーヒーから、家庭に普及していったと記憶しています。インスタントとは言え、ちょっとハイカラな飲み物でした。現在のようにコーヒー豆から挽くなぞということは、庶民には想像もつかない時代でした。(喫茶店はプロですから、当時から豆を挽いていました。本当かどうか、その搾りかすを牛乳会社が回収して、コーヒー牛乳の原料にしていたと聞いたことがあります。)

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