あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

秩父ミュースパークを越えて新緑の小鹿野町を歩く②(埼玉)

2017-05-23 22:18:40 | カントリーウオーク
 第2日 2017年5月14日(日)

 雨は上がったが曇り空、小鹿野町下津谷木の梁山泊(りょうざんぱく)の朝食のメニュ
ーも、夕食同様もりだくさんで元気が出そう。
    


 地元すぐ近くのTさんが用意してきたパネルを前に記念撮影後、梁山泊の皆さんに見送
られて8時25分に出発した。昨夕直接来たTさんを加えて今日は13人である。


 まずは東に少し戻り、般若(はんにや)の丘公園の上部から見えるというTさんが自宅
に掲げた赤旗の確認をすることに。近くの草むらでキジが散歩していた。
    


 般若の丘公園では、世界の奇獣といわれる新生代第三紀中新世(約1500万年前)の
パレオパラドキシラの全身骨格化石が1981年に出土したとのこと。

 この化石を元に、親子で散策する姿を再現した模型が展示されていた。

 ほかに、やはりこの場所で発見された同じ新生代第三紀中世の太古の大型魚類で推定体
長約2mという、チチブサワラの実物大模型もある。


 そばの展望台に上がったが、手前の樹木に隠れてT邸は見えない。でも、周辺の家並み
や山並みなどは一望である。




 もっと上がってみようと、昨日の雨で滑りそうな斜面を少しずつ上がる。斜面の途中に、
ナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)が白く細い花をたくさん見せていた。
    

 かなりの高みまで上がるとT邸が見えるようになり、2階に吊された赤旗も確認できた
(写真はあるが、プライバシー保護の観点から掲載は省く)。

 さらに高所なので、展望はいっそう広がった




 9時5分に公園を出て西へ、梁山泊前では、声で気付いた宿の皆さんが再び見送ってく
れた。

      
 少し先の道路沿いにトチノキやゴマに似た花が咲く。南の古洞方面へのT字路際に茂木
豊一翁頌徳の碑があった。
           

      
 茂木翁は明治36年(1903)生まれ、町議長として自治発展の基礎を確立し、秩父
農工小鹿野分校県立移管や小鹿野病院の開設に多大の功績を残したという。


 右カーブして赤平川の津谷木橋を渡り、県道279号に出た。東にすぐの国道299号
への合流点の信濃石交差点際にあったファミリーマートで昼食を仕入れる。

 再び西へ、近くの細道から国道の北に平行する三島集落の旧道を西進する。次の漆ヶ谷
戸集落では山すその旧道へ。三差路際にひなびたたたずまいの猿田彦神社が祭られていた。
      

    
 テッセンなどの咲く家、たくさんのツツジが咲き競う広い前庭のA家などの前を進み、
突き当たりの正永寺に入る。



 門前の低地に弁天池に囲まれたにりっぱな弁天堂があり、山門の近くには二十二夜塔や
たくさんの古いお地蔵さんが並ぶ。本堂の周辺で休憩した。




 当寺は、天文17年(1548)信濃国の祥山宝吉和尚が秩父観音霊場巡拝の折にこの
地を訪れ、弘治2年(1556)に再訪し薬師堂を譲り受けて寺を建立し、勝園寺と称し
たのが開創とのこと。

 その後衰退したが、寛文11年(1671)に武蔵国龍穏寺(越生町?)の撫州春道和
尚を招き、正永寺として中興開山したという。現在の本堂は、平成11年(1999)の
再建らしい。

 この後は、「四季の道」と呼ぶ背後の稜線上の団子坂峠や一本杉峠などを西進するグル
ープと、山ろくの腰ノ根集落を行くグループとに分かれる。


 近くに小鹿野名産しゃくしな漬けの石川漬物があるというので全員寄ったが、休業日だ
った。そばの三差路際にキリが花盛り。
          

 石川漬物の横を少し北に上がり、無名の神社のあるT字路で四季の道を稜線上に上がる
グループと別れ、腰ノ根集落最高所を西進する。
    

 標高270m前後の高みなので、南側の小鹿野の町並みや周辺の山並みなどの展望が良
く、この道にも「四季の道小鹿野」の標識がある。



 集落には、かやぶき屋根にトタンを被せた古い民家も見られ、ツツジやコデマリなどの
花が豊富な新緑の中に目に入る。


 集落の西端にある小鹿(おしか)神社に11時に着き小休止する。

 小鹿神社はその名の通り鹿を祭った祠(ほこら)が発祥で、日本武尊(やまとたけるの
みこと)が東征の折、道に迷ったが神鹿が現れ、導いたとか。その後絶命した鹿を憐れん
で町並みの入口に祭り、さらに赤平川左岸に遷座、明治43年(1910)の大洪水によ
り現在地に建立されたという。

 4月15日(土)の春祭りには、笠鉾(かさほこ)の町内ひきまわしや、神楽奉納、小
鹿野歌舞伎上演などで賑わったようだ。
      
 拝殿左手に春祭りの破魔矢が残り、その奥の稲荷神社の新しい鳥居には、奉献された梁
山泊のSさんの名が記されていた。


 境内西側下部には、県指定有形文化財の腰之根笠鉾の保管庫があり、そばに昭和25年
(1950)から10年がかりで完成した小鹿野用水のことを記した「小鹿野用水の碑」
もあった。

 神社の前から道路は少し下がり、さらに西進する。雨上がりでしっとりした新緑の展望
が気持ちよい。山ろくにはニセアカシアが咲き出していた。


    

 間もなく昼食地に予定した神社がすぐ下にあるはずだが見えず、鎮守の森らしいの見つ
からない。少し先から両側は杉などのうっそうとした林間となり、水道タンクのそばで確
認中に、先行の2人は見えなくなった。
     

 さらに進むと道は右カーブして切り通しとなり、すぐ手前から左に下る道が分かれてい
た。ここで、神社より700mほど先の黒海土橋から延びる車道のトンネル上を越える現
在地が確認できた。


 坂を下って折り返してトンネル前を通過し、下を平行する道を東に戻り、和田集落を抜
ける。低かった雲が少し上がり、東方に武甲山(ぶこうざん)の北面がかなり上部まで見
えるようになった。

 東側の新井集落に入り少し南下する。路傍のサクランボがもう少しで食べられそう。
    

 草道を抜けた東側の細道から、北に延びる車の通れぬ道の突き当たりが昼食地の新井神
社だった。


 Kさんが上の道の下り口まで行き確認し、地図とはカーブの様子が少し違っていたと分
かる。私も昼食後に神社横の細道を上がってみたら、なんと6枚上の写真(作業小屋や山
並みを撮影)の左手から下れたのだった。

 社殿は石段上にあり下は児童公園で、12時30分に着いた。少しして稜線組と連絡が
取れ、やはり神社の場所が分からなかったようで、国道299号を戻ってきて合流した。

 公園からは、武甲山北面の雲がさらに上がり、山頂付近まで望めるようになった。

 昼食を済ませて13時15分に出発する。国道を手押し信号で横断してさらに新井集落
を南へ、住宅の前にキクのような白い花がたくさん咲いている。
    

 もう一つ車道を横断すると住宅が減り、もうすぐ開花しそうなクリ畑の横を過ぎ、ベニ
ドウダンも間もなく咲きそう。スズランの咲く民家もあった。
    

 県道209号に出て西へ、すぐ下流で赤平川に合流する河原沢川の落合橋を渡る。


 橋を渡った左手高台に廃業したホテルの建物が残り、その下に「甲源一刀流(こうげん
いっとうりゆう)逸見愛作寿碑(へんみあいさくじゅひ)」があった。
      
 甲源一刀流は江戸時代から続く剣術の流派、近くの両神薄(りょうがみすすき)の逸見
家に受け継がれ、愛作は天保12年(1841)生まれ、文久年間(1861~3)には
当地を含む上州岩鼻陣屋(高崎市)の剣術指南役に抜擢されたという。

 明治維新後も剣をもって自己の修行と門弟の教導に励み、薄村の戸長も務め村政の指導
者として村の発展に大いに尽くしたという。

 その先一帯は小沢口集落、集落内の秩父ワイン源作印の醸造場に行くが、直売所は臨時
休業だった。


 同じ道を戻り、落合橋を渡って小鹿野町の中心街に向かう。六差路の原町交差点の手前
を右折して東へ、庭にたくさんの盆栽の並ぶ建物が目に入り、そちこちの家の前にコデマ
リやテッセン、ドウダンツツジなどが咲いている。


 500m近く進んでひとつ北の中心街に回ると、「夢神樂(ゆめかぐら)」と呼ぶ蔵造
りの建物があった。
 
 カフェとして活用しているようで、入口横にはチェーンのない初期の自転車を展示して
いた。
    


 この通りには古い商家や土蔵が多く残り、明治期の絹糸紡績原料買継商の浅見商店↑、
肉の味噌漬けの丸清↓、荻野医院などが目に入る。


 ひとつ北の通りの、秩父観音霊場15番十輪寺に回り小休止する。


    
 山門には大小幾つものわらじが奉納され、鶴が羽を広げたような境内の松は樹齢200
年とか。


 中心街に戻り、江戸末期創業という村上酒店の先にある観光交流館に短時間だけ寄る。
もと「寿旅館」を活用した建物で、宮沢賢治が大正5年(1916)9月4日に宿泊して
いるという。


 中庭の「陣屋」の看板のかかる建物の前に、宮沢賢治の「雨ニモマケズ…」の新しい詩
碑がある。





 さらに、旅館越後屋↑や和菓子の八宮松雲堂などの前を過ぎる。


 今回のゴール、小鹿野役場バス停には14時43分に着いた。バス待ちの間にそばのJ
Aちちぶの農産物直売所に入り、農産物加工品など求める。


 15時4分発西武秩父駅行きバスで帰途についた。

(参加 13人、天気 曇、距離 11㎞、地図(1/2.5万) 長又、皆野、歩行地
 小鹿野町、歩数 23,600 累積標高差 上り約250m、下り約240m)




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2 コメント

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Unknown (小町さん)
2017-05-25 06:56:01
雨が降った後の緑の美しさがなんともいえません、爽やかな空気も緑一色、身体中キレイになった気分、小鹿野に来て下さりありがとうございました
新緑の小鹿野を堪能 (saikoroat)
2017-05-25 18:17:34
前日の雨もたいしたことなく、その雨でしっとりした新緑の小鹿野を
たっぷり楽しむことが出来ました。
これも小町さんの多大なお力沿いのお陰と、感謝しております。

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