勝俣先生のFBに「自分の経験ではビタミンCはがんに有効」と丁寧な議論を投げかけてくる若い医師がいました。
その方は、手伝っているクリニックでビタミンCをすい臓がん患者に投与し少なからずの改善例を経験したということを根拠にされ、がんは代謝の異常がメインであるから今のがん治療を考え直すべきではないかという提言をされていました。そうとんでも医療をやっている方の中にはこのように信念を持たれて患者さんのためにと自由診療をやられている方がいます。(大多数は利益のためですが)
医療においてプラセボ、ノセボといった患者さんや医師の思い込みで治療効果が出ることがあります。それこそ同じ生理食塩水でこの薬は高い薬だと言われて投与された患者は、この薬は安い薬だと言われて投与された患者に比べ効果が出たことも報告されています。
つまり医師のやさしい声掛け、看護師の優しい態度、患者さんの前向きな生活、精神状態、規則正しい運動、適切な食事、十分な睡眠、適切な人間関係などで自然に改善する現象に、たまたまビタミンCが投与されていただけで、それを見た医師が効くに違いない、その理論的根拠も一応あると思い込むのです。
その現象を踏まえても様々な研究でビタミンC大量療法はプラセボ以上の少なくともがんを治すという効果は認められていません。勝俣先生も紹介している少し古いですけどビタミンC療法の解説ブログです。(このブログは自衛隊時代の「ビタミンC大量療法が放射線障害を防止する」という我々の研究を別のページに載せていただいたことがあります)
エビデンスは大多数の人に効果が出て初めて認められるものです。その方に効果があったけど他の方には効果がないというのではあまり意味がありません。ましてその情報を与えずに高いお金を請求するのは詐欺です。
ただしその上で言いますけど、エビデンスのある治療がなくなった場合、エビデンスが弱いながらもなんらかの治療を行うことはやぶさかではないと思います。そこにビタミンC投与は安ければ構いません。実際QOLが少しよくなるかもといった報告はあります。またあの免疫治療のオプジーボ(PD-1)なんて、正直ORR(投与することで幾らかでもでた効果:治癒ではありません)は20−40%にすぎません。つまりこの人には効いたけどこの人には効かないってことがよくあるんです。それでもすごい治療なんですけどね。
医療の最終結果は死か生かの0か100です。ただし実際に行われている診療はそう簡単に分けられません。QOLも大事ですし、仕事も家族との時間の大切さもお金も色々その患者さんによって違います。そこには正しい医学と相反する行動も要求されることも正直あります。患者さんに何がいいのか、そこに思い込みもあるのが現代の医療です。エビデンスを分かった上で治療を行うことは最低限の義務ですがその上で正しい緩和治療を含めて思い込みも活用しながら患者さんと生を共にするということが私の医療のルールです。
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その方は、手伝っているクリニックでビタミンCをすい臓がん患者に投与し少なからずの改善例を経験したということを根拠にされ、がんは代謝の異常がメインであるから今のがん治療を考え直すべきではないかという提言をされていました。そうとんでも医療をやっている方の中にはこのように信念を持たれて患者さんのためにと自由診療をやられている方がいます。(大多数は利益のためですが)
医療においてプラセボ、ノセボといった患者さんや医師の思い込みで治療効果が出ることがあります。それこそ同じ生理食塩水でこの薬は高い薬だと言われて投与された患者は、この薬は安い薬だと言われて投与された患者に比べ効果が出たことも報告されています。
つまり医師のやさしい声掛け、看護師の優しい態度、患者さんの前向きな生活、精神状態、規則正しい運動、適切な食事、十分な睡眠、適切な人間関係などで自然に改善する現象に、たまたまビタミンCが投与されていただけで、それを見た医師が効くに違いない、その理論的根拠も一応あると思い込むのです。
その現象を踏まえても様々な研究でビタミンC大量療法はプラセボ以上の少なくともがんを治すという効果は認められていません。勝俣先生も紹介している少し古いですけどビタミンC療法の解説ブログです。(このブログは自衛隊時代の「ビタミンC大量療法が放射線障害を防止する」という我々の研究を別のページに載せていただいたことがあります)
エビデンスは大多数の人に効果が出て初めて認められるものです。その方に効果があったけど他の方には効果がないというのではあまり意味がありません。ましてその情報を与えずに高いお金を請求するのは詐欺です。
ただしその上で言いますけど、エビデンスのある治療がなくなった場合、エビデンスが弱いながらもなんらかの治療を行うことはやぶさかではないと思います。そこにビタミンC投与は安ければ構いません。実際QOLが少しよくなるかもといった報告はあります。またあの免疫治療のオプジーボ(PD-1)なんて、正直ORR(投与することで幾らかでもでた効果:治癒ではありません)は20−40%にすぎません。つまりこの人には効いたけどこの人には効かないってことがよくあるんです。それでもすごい治療なんですけどね。
医療の最終結果は死か生かの0か100です。ただし実際に行われている診療はそう簡単に分けられません。QOLも大事ですし、仕事も家族との時間の大切さもお金も色々その患者さんによって違います。そこには正しい医学と相反する行動も要求されることも正直あります。患者さんに何がいいのか、そこに思い込みもあるのが現代の医療です。エビデンスを分かった上で治療を行うことは最低限の義務ですがその上で正しい緩和治療を含めて思い込みも活用しながら患者さんと生を共にするということが私の医療のルールです。
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