ジンバランのイカンバカールで食事を済ませた私は、暗い夜道をホテルへと歩いていた。
「今日のお店は失敗やったわ、高いし、美味しくないし・・・・、私の直観なんてぜんぜんあてになれへん」
と、その時だった。
肩にかけたエコバッグがぐいっと引っ張られた。
何が起こっているのかわからないまま悲鳴を上げた。
エコバッグは抵抗もむなしくもぎとられ、二人乗りのバイクが走り去っていった。
事態を理解し、どうしようとうろたえそうになった私の目の前に
バッグから滑り落ちたのであろう中身が散乱していた。
財布、携帯電話、老眼鏡・・・
ないと困るものは全てそこにあった。
彼らが持って行ったのは、AfternoonCafeのエコバッグ、「地球の歩き方」、スカーフ、ホテルのルームキー
困ったものがひとつあった・・・

ホテルへ帰り事情を話すと、みんなやさしく、すぐに別の部屋を用意してくれて、キー代を弁償するといっても受け取ってくれなかった。
ホテルに迷惑かけてしまったけど、腕に青たんが出来ただけですんだ。
「大難が小難に、小難が無難に」という言葉が浮かんだ。

今回の渡バリで、私はなぜかエコバッグを2つ持って来ていて、あてにならないと毒づいた私の直観はこんなところで発揮されていた。

*ジンバランのイカンバカール(シーフードのBBQのような感じ)は有名で、浜辺で食べるお味は格別です。