2016.05.22 13:00開始 at 西武プリンスドーム
埼玉西武
2
-4福岡ソフトバンク
【勝利投手】武田(6勝1敗0S)
【セーブ】サファテ(0勝2敗13S)
【敗戦投手】野上
(2勝5敗0S)



このゲーム先発した野上亮磨投手、先週日曜日に続きしっかりとゲームを作ってくれたと思います。結果として6イニングを投げて被安打5、無四球で3失点とQS達成という登板でした。ただ野上亮磨投手とすれば4月20日に勝ちがついて以来、1ヶ月以上に渡って勝ちがつかず、このゲームでは敗戦投手になってしまいました。しっかりとゲームメイクはしてくれていると思いますし、何よりこのゲームでは6イニングで四球が1つもありませんでした。野上亮磨投手が大量失点するときには必ずと言っていいほど四球が絡みますし、好調不調かといえばこのゲームでは好調と言っていいと思います。しかしながら敗戦投手になってしまっているのです。
もちろんこのゲームでも打線が6点とか7点とか、援護があれば勝利投手になっていたでしょう。しかし相手はホークスのエースになりつつある武田翔太投手ですから、当然大量援護は望ません。

もちろん打線もソロホームラン2本の2点のみでしたので、良い攻撃だったかといえばそうではありませんし、ホークス武田投手も状態が上がらない中で、ライオンズが打てなかったと言うべきか、武田投手が粘ったというゲームか。というところでしょう。
このゲームの野上亮磨投手は前回に引き続き、カットボールをうまく使って岡田雅利捕手との息も合って良いピッチングであったと思います。しかしエルネスト・メヒア選手のホームランで2-1とリードしてもらった直後の6回表には先頭の本多選手に対して、2球目のストレートがほぼ真ん中の高めに抜けてしまい、3ベースヒットになってしまいます。これは失投で無死3塁としてしまいます。ここでサードランナーが生還して同点ならまだ良いのですが、1死をとって今宮選手にタイムリー2ベースを打たれて更に1死2塁とピンチを続けてしまったところが拙い点でしょう。今宮選手に外野フライを打たれて、2死にした上で1点を献上するのであれば問題ないのですが、更に得点圏にランナーを残してしまった点でしょう。今宮選手にはアウトコースのカットボールを投じたのですが、このボールも高くなってしまい痛打されてしまいました。この一打が痛かったように思います。これで5敗目となってしまいましたが、味方が勝ち越してもらった直後のイニングで9番バッターに簡単に長打を許し、あっという間に逆転を許してしまっているようではなかなか勝ちは付きません。もちろんQS達成した投手にケチを付けるのはナンセンスと承知してますし、ルーキーであればナイスピッチングと言えるところですが、29歳になるピッチャーですので残念です。

攻撃面でも上に書いたようにソロホームラン2本の2点のみと、少々寂しい内容になりました。
例えば4回裏は1死から岡田雅利選手が四球を選ぶも、鬼崎裕司選手がバントを構えをしながらも三振に例れてしまい、ランナーを進められません。結果論になりますが、後続の金子侑司選手のヒットでランナーを生還できず、秋山翔吾選手の打席もヒットかという打球でしたが、ショートの今宮選手のポジションニングが良かった事もあって、ショートライナーになってしまいます。

また2-3と1点を追う7回裏も1死から秋山翔吾選手がストレートの四球で出塁しますが、後続の栗山巧選手の打席、初球で盗塁を仕掛けますがセカンドベース上でアウトになってしまいます。この場面の積極性は良いと思いますが、1点ビハインドの終盤で秋山翔吾選手は大切な同点のランナーなのです。増してやホークスのリリーバーのメンバーを見ると、そう簡単に点が入るメンバーではありません。従って「100%セーフにならなければスタートしてはいけない」場面です。つまりタイミングが遅れてもホークス側のミスで盗塁が決まったのなら良し、盗塁の動作は完璧でもセカンドベース上でアウトになってしまったらダメと言う場面でした。この場面ではスタートの良し悪しは現地に居ませんでしたので確認できませんでしたが、ホークスの鶴岡捕手の送球は少々逸れたのですが、上手い具合にファースト方向に逸れて、ちょうど良くアウトになってしまったようにも見えますし、球種はスライダーということを考えると秋山翔吾選手のスタートも少々遅れた可能性もあるでしょう。いずれにしても絶対アウトになってはいけない場面でした。これも結果論ですが、後続の栗山巧選手の2ベースヒットで「もったない」と思ったのは私だけではないはずです。
このように攻めるべきところでしっかりと攻めができない部分、野上亮磨投手の上に書いた得点と取られ方、と武田投手に対して10連敗してしまった要因はいくつかあるはずでしょうか。

野上亮磨投手の話に一旦戻りたいと思いますが、このゲームでは守備面で気の毒な面はありました。それは5回表で先頭の長谷川選手がヒットで無死1塁となり、続く松田選手はインコースのストレートでサードゴロに打ち取り、併殺打も取れる場面でしたがサード木村昇吾選手が握り直し、セカンド浅村栄斗選手からファーストのエルネスト・メヒア選手への送球が上ずってしまい、併殺が取れません。木村昇吾選手が握り直したように見えますし、木村昇吾選手がセカンドを見ながら送球を待ったようにも見えます。TV中継ではセカンドベースが映っていなかったので定かではありませんが、浅村栄斗選手のセカンドベースカバーが遅れた可能性もあるでしょう。ですので送球をファーストに転送した際に、浅村栄斗選手としても余裕がなくなり送球が上ずってしまったようにも感じます。
この場面は記録上失策はつかずに、記録上で単なるサードゴロで処理させるのですが、野上亮磨投手からすれば併殺を取って欲しかったでしょう。併殺が取れないことによって野上亮磨投手からすれば、このイニングで1名余計に対戦しなければならず当然球数も増えるわけで、これで併殺が取れていればもしかしたらもう1イニング長く投げていた可能性もあります。小さいプレーですが、こういった打球でしっかりと併殺が取れるようにならないとなかなか締まったゲームにはなりません。

このゲームは敗戦の中にも、浅村栄斗選手が2回裏に放ったレフトへの完璧なホームラン、武隈祥太投手が2イニングをパーフェクトで防御率が1.71と素晴らしい数字になってきた点が今後のプラスポイントとなるでしょうか。今シーズンの武隈祥太投手は苦手としていた対左打者の被打率も、右打者とほぼ同等の.237と健闘しています。エスメルリング・バスケス投手と調子を比べて、セットアッパーとして今後起用していくと思われますが、高橋朋己投手が離脱している中で穴を埋めてくれると思います。セットアッパーでバスケス投手、武隈投手、クローザー増田投手、そして状況に応じて牧田和久投手という起用法が望ましいでしょう。

最後にゲームの本題とは外れてしまうと思いますが、ホームベース上のビデオ判定に関して書いておきたいと思います。このゲームでは3回表1死3塁の場面で本多選手がレフトの浅いフライでサードランナー城所選手がタッチアップ、一旦判定はアウトとされますが、ビデオ判定によりセーフと再判定となり、ホーム生還が認められるという事が起きました。
今シーズンからコリジョンルール導入のともに、ホームベース上の判定においてビデオ判定が導入されました。もちろんこのプレーに関して、岡田雅利捕手のポジションはコリジョンルールには当てはまりませんし、リプレーを見れば完全にセーフであるため、判定に関して不服は申し立てられないでしょう。判定が覆った後にライオンズベンチから抗議に出なかった点を見ると、ライオンズ側も納得しているのでしょう。もちろんライオンズ側の守りもレフト栗山巧選手の返球、岡田雅利捕手の守りと悪い部分もありませんでした。

ただホームベース上の判定に関しては、ライオンズに限らず他球団でも、コリジョンルールの関係の有無に関わらず判定が覆ることが多いように感じます。もちろん正しい判定をするためのビデオ判定であることは重々承知していますし、より厳格な判定を行うことができるでしょう。
ただこれだけ覆ることが多いということは、誤審が多いという事も言えるわけです。ホームランの判定は球場によって判定がしにくいことも多いと思いますが、アウトセーフの判定は審判団が一番近くで見ているわけですから、審判団としても考えなければならないところであると思います。今の状況であれば「何でもかんでもビデオ判定」という風潮になり、ゲーム時間短縮を謳っているNPBとしては逆の事になってしまっている面も否めません。例えばメジャーリーグのようにチェレンジ制を導入するとか、ホームベース上の判定に関しては再考の余地はあるのでないかと思います。最も今シーズンからの導入ですので、試行錯誤の面もあると思いますので、的確なルール改正を期待します。



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