今シーズンのリリーバーは本当によく頑張ってくれたと思います。



リリーバーと言えどいろいろな役割がありますが、特に勝ちゲームを担当した増田達至投手、牧田和久投手、武隈祥太投手、小石博孝投手の4名はシーズンのMVPであると思っています。今シーズンのライオンズ投手成績は25日現在、救援防御率がパリーグ4位の3.45で、これが非常に素晴らしい成績であったと思います。もちろんファイーターズやホークスなど、救援防御率が2点台後半のチームもあり、特に首位ファイターズは2.73ですので概ね0.7違うことになりますので、まだまだであると言ってもいいでしょう。
ただ1つ頭に入れなければならない数字として、今シーズンのライオンズの先発投手の防御率は4.15、QS率は44.68%と非常に低い数字でありました。つまり全体のゲームの半分以上が、先発投手が6回3失点より悪い成績でのゲームだったということになります。中でも今シーズンのライオンズは先発投手が5イニングを持たずに降板し、その降板直後の失点が多いのです。

これも25日現在の数字なのですが、ライオンズのイニング別失点で一番多いのが4回と6回なのです。ともに98失点で、非常に多い数字です。
しかしライオンズの勝ちゲームに限ると、8回の失点は8、9回の失点は12と、これは好成績です。ちなみに救援防御率リーグNo1のファイターズは勝ちゲームでの8回の失点が16、9回が25です。もちろん勝利数が全く違いますが、単純計算すると「勝ちゲームにおいての8回及び9回の失点」はライオンズとファイターズでほぼ互角と言っていいくらいライオンズの8回9回の成績は素晴らしいと言っていいでしょう。

つまり何が言いたいかというと、今シーズンのライオンズでは先発投手が早く降りて、それによりゲーム中盤での失点が非常に多かったという事が言えるでしょう。つまり先発陣のQS率の低さ、成績が奮わなかった点で、救援防御率が割を食っていると分析しています。よって個人的には救援防御率が実質的にもっと好成績だったと考えています。
よく野球解説者の中にも「ライオンズの長年の課題はリリーバーだ」という声を耳にします。しかしそれは大きな間違いで、先発投手がなかなかゲームを作れないがために中盤のリリーバーが割を食っているというのが正解です。数年前は終盤までリードしていても、継投に入り逆転負けを喫することが多かったのですが、これは完全なるリリーバーの弱点でしょう。今シーズンとは全く違います。

さてタイトルに「セットアッパーの確立を」と書きましたが、今シーズンの先発投手が低迷してなかなか立て直すことができなかった要因としては、牧田和久投手をリリーバーで起用し続けたことです。いや、正しく書けば「起用せざるを得ない」と書いたほうが正解だと思います。単純に野上亮磨投手十亀剣投手が不調に陥ったのであれば、牧田和久投手を先発ローテーションに入れればいい話で、そうすれば44.68%というQS率はもっと良くなったと考えています。
しかし牧田和久投手を先発ローテーションに入れてしまえば、セットアッパーが居なくなってしまいます。潮崎哲也ヘッド兼投手コーチは交流戦ごろだったでしょうか、インタビューで「困ったときのために牧田和久投手を置いておきたい」と語っていたように、先発ローテーションに戻すわけには行けなかった事情があります。

今シーズンはセットアッパーの高橋朋己投手が手術のため長期離脱となり、復帰は早くても2018年のシーズンであります。またC.C.リー投手を獲得しましたが戦力にならず、途中獲得したフェリペ・ポーリーノ投手、ブライアン・ウルフ投手は先発要員でした。
他にもありますがセットアッパーとして牧田和久投手に起用さざるを得なかったという事情があり、その結果先発ローテーションも厳しくなったしまったと言えるでしょう。

いきなり結論となってしまいますが、来シーズンはセットアッパーで8回を任せられる外国人投手を必ず獲得しなければなりません。NPB経験者でも新外国人投手でも良いので活躍できる外国人投手を獲得して、その結果、牧田和久投手を先発ローテーションに戻すことで投手力の底上げを図るべきでしょう。もちろん大石達也投手への期待はかかりますが、どちらにしてもリリーバーの外国人投手獲得は必須でしょう。1軍登録可能な外国人選手は4名ですが、それを上回る人数を獲得しても良いのではないかと考えています。
クローザーを務めた増田達至投手はリーグ屈指のクローザーであると思います。逆に言えば増田投手がどっしりと構えてくれたからこそ、リリーバーは好成績だったと考えています。来シーズンはさらにその層を厚くして、リーグ優勝を狙える戦力を整えてほしいものです。




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