獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

「知識」

2017年02月24日 | 今だから拓郎を語る

   

 もう35年以上も前のこと。
 今と違って、どちらかといえば実直な少年だった私は、割と成績が良かったこともあってか、当時の担任から「お前、学級代表をやってくれないか」と要請されて、とても悩んだ経験がある。
 「自分は自分のことだけで精一杯だし、大体自分はそんな器じゃないし・・・」などと、いろいろ理由を考えて、結局その要請をなんとか断った。
 しかし、断ったことが割といつまでも尾を引いて、自分の心の中に影を落としていた。

 この曲と出会ったのは、そんな出来事があってから1年くらい経ってからのことだった。
 当時中学生だった私は、まず、この曲の歌詞に腰を抜かした。
 「♪おしつけられたら逃げてやれ 気にする程の奴じゃない」とあっさりと言い切ってしまう拓郎に、爽快感を感じ、非常に気分が軽くなった。
 逃げるが勝ちとは、まったく卑怯者なのだが、それを肯定するスタンスの歌はそれまで聴いたことがなかったし、とても新鮮に私の心に響いた。
 そして、拓郎に救われたような思いがした。

 中高年のリストラ・フリーターの増加・若年者の晩婚化・・・なんだか昔と違って、安定感のない社会になってしまった今日この頃。
 「♪年功序列は古いなどと かんばんだけの知識人よ」
 1974年に発表された、吉田拓郎のこの「知識」という曲は、今なお、時代を撃っているような気がするのである。


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