三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 8月10日 いい仕事・し過ぎしてますネ~

2017-08-10 | メンテナンスお気楽日記
加工業、とくに鉄工加工などは、0コンマ00ミリ単位の仕上げ精度を要求される。

巷で言う「いい仕事、してますネ~」の世界。指示書図面には▽マークがいくつも表記されている・
ところが、これはNC旋盤に打ち込む数字の指示でしかない。機械は真っ正直に仕事をします。

鉄工所のおやじが、客先の意向を聞いて、旋盤をひき、ノギスでサイズを確認、手触りで仕上がりを確認。
なんて鉄工所(野鍛冶でもないが)は、もう貴重工場です。二代目に仕事を依頼する際は、図面をひいて
指示書として持ち込まなければならない。ロット対応なので、飛び込み依頼は厳しい状況です。

修理製作は、設備製作と違い、せいぜい5個から10個の世界です。時には2個作って欲しいモノもある。
持ち込み依頼しても、待っていれば出来る訳もない、仕事にはすべて「段取り」ってものがあります。


なんとか?シャフト用のカラーを削り出してもらいました。喜び勇んで現場に戻り、作業にかかる。
ところが、シャフトが通りません。バリもサビもきれいにヤスリがけしたのに、きつくて動きません。
「20㍉の指示」は20㍉でしかないないのです。「遊び」というか「余裕」は計算されていない。

以前、テレビで「茶筒製作」を見たことがあります。蓋がスーッと落ちていきます。これがきつければ
蓋ははまらないし、ゆるければ蓋はストンと落ちて用をなさない。これが、職人感覚による「あそび」加工です。


祇園祭の山車にはクギやボルトは一本も使っていないそうです。職人さんいわく「遊びが無けりゃ、木が割れる」
エアージェット織機と手機織りでの差は歴然だけど、某メリヤスメーカーはゲージのタイミングをずらす事によって
他社とのちがいを「風合い」として製品化している。それを「余裕」と言うか「あそび」と言うかは解らないが、
肌ざわりと伸び率が変わってくる、なにより気持ちが良いのは確かです。

例えが違うかも知れないが「お役人仕事」。やる事はしっかり?やっているが、融通が利かない。
文書どおり数字どうりでのお仕事が必須ですが、「余裕のない」処には「笑顔」は生まれない。

「堅物」でも困る「遊び人」でも困る。人間も機械も「ほどほど」が付き合いやすい。
この「ほどほど」を見極めることこそ「友達」であり「職人」でもあると思う。


P/S 今日はドラム交換のお仕事です。シャフトに出来る「ホロセットのあたり」によっては、ドラムが動かず
    作業時間が、1時間以上も変わってきます。最悪はドラムをハンマーでキズ付けることもあります。

    動かないドラムを抜く方法や、アタリを作らない様にする方法は、追って記事にします。
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