三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 3月21日 海外製ワインダー 其の2

2017-03-22 | メンテナンスお気楽日記
「海外製ワインダー」について、仲間たちと話す機会がありました。

やはり、問題はコピー製品と言われる、カタチさえ同じなら売れるという、雨後の筍メーカー?です。
海外工場では、設備投資が決まれば、半端ない錘数だそうです。作れば売れる時代は日本にもあったが、
アジア諸国でも、設備投資さえすれば、お金が戻ってくると思っているらしい。

まず、日本製品との大きな違いは、「加工精度」と「材質」だそうです。
日本では、0コンマ何ミリの図面加工ですが、向こうでは「こんな形に作って欲しい」がまかり通る。

だから、低速操作ではゴマカシ?が利くが、高速運転では、振動と騒音に泣く事になる。
燃台のスピンドルが暴れ回るなんて話も聞いた。特にベアリングは信用できないらしい。

材質も銑鉄の問題が有り、材質が一定していない。以前、インド製のドラムを日本メーカーに提供したら
「アルミの中に気泡があり、バランスが取りにくい」との返事だった。


と、言うものの、いつまでもコピー製品ばかりとも考えていない。当然、○○鉄工所製なんて製品は
淘汰され、残るべきメーカーだけが、主流メーカーとして、技術を積み重ねていく。

海外工場担当者によると、確かにその動きもあるが、まだまだ日本製中古機台が安心出来るとのこと。
ゆくゆくは海外製ワインダーも考慮範囲だが、見極めには、もう少し時間が必要と感じているそうです。


怖い話ですが、今日60錘のソフトワインダーのジスク交換をしました。
ベアリングケースの遊びが大きいと感じました。本来なら交換状態です。しかし、部品がありません。
もちろん、メーカーにもありませんし、作ってもいません。100個200個の鋳物製では取り合ってもらえません。

もし、二次メーカーでの製作依頼としても、メーカー精度と材質が同じとは考えられません。
価格もおどろく事となると思います。対応は「中古で中古を直す」ことになります。

あと何年とは、言えないけれど、海外製繊維機械は確実に入って来ます。作っていない機械は中古も出ない。
繊維産業が無くならないと同じで、繊維機械も無くならない。その為の機械が必要とされます。

特に、量産高速機への影響は大きい。需要があれば、開発スピードも早いと考えなければならない。
すぐに追いつけ追い越せの状態になる。だって、日本製機械は止まっているんだもの。

30~40年前の日本製の機械。確かに精密で丈夫です。驚きに値いします。そう、繫栄期でした。
儲かればこそ、技術の進歩・発展があるのは当然です。競い合ってこその技術です。

機能性繊維の開発こそ、各社で競い合っていますが、その為の機械が無いのも、現状です。


話が違うかもしれないが、今、自分の処には、昔の機械を探して欲しいとの依頼があります。
「風合いが違う」「味わいが違う」との事です。糸に優しい、手間を掛けた加工が必要との事です。

しかし、機械屋としては、「同一品質」「持続性」「便利性」こそが機械の役割と思っています。

量産社会への「反抗」なのか? 開発ない機械への「言い訳」なのか?なぜか、一抹の疑問が残る。

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