それからほぼ毎日琴葉と土手で、最初はたわいのないお喋りから始まり、少しずつ親交を深めていった。
なるべく彼女の話に耳を澄ませるようにした。
段々とこの時代にも慣れ、話す事にも困らなくなってきた。
どことなく表情にも余裕が出てきたように思う。
我ながら、この一年は凄い進歩だった。
琴葉は一度打ち解けると、表情豊かに何でも話してくれた。
普段学校や自宅で話せない分、ここで吐き出すのだろう…
私もつられて柔らかな表情ができるようになっていった。
この時彼女が何を思い、どうしてタイムマシンを造ることになり、またできなくなることになるのか?
この時代に何があったのか…
この時にはまだ何も分かっていなかった私は、ただ待ち続けた。
昇平のことも話してくれるようになりはしたが、一度きり軽く話してくれただけだった。
それ以降何度その話をしようとしても逸らされてしまっていた。
期限が迫り、少々焦っていた私はやっとあの日に自分から話を切り出すことができたのだ。
一年以上も彼女と会話していたことで情も湧き、自分の正体をさらすことはとても勇気が要ることだった。
こんな感情が湧いてきたのも初めてだった。
この頃には高村昇平を助けることを決めていたのかもしれない――――
I follow on the next time…