バスに乗ると、たいがい一番前の席に座ります。
お年寄りが来ても、
あの席は危ないので譲らなくてもいいから。
なーんて、そろそろこっちが、
譲ってもらうトシなんですけどね(笑)
そして、この席の楽しさは、前が見えることと、
バスに乗る乗客の様子が観察できることで・・・
今日も、その指定席に座っていると、
1人のおばあさんが乗ってきました。
「あの、高校前って止まりますかね?」
「〇〇高校ですか?」
「え・・・ええ、たぶん」
「〇〇高校なら止まります」
「ああ・・・」
とさっさと乗り込むおばあさんに、
「すみません!
す・み・ま・せーーん!!」
「は?」
「先払いです」
「あー」
おばあさんは、持っている布袋の中をごそごそ。
と、布袋から出てきたのは、
財布ではなく、1枚の地図。
「ここに行くんですけどねぇ」
「行きます。行きますから、あの、料金を」
「あ、はいはい。
あの、行くんですよね?」
「行・き・ま・す!
料金、お願いします」
すでにバスの外には長蛇の列。
おばあさん、また布袋をごそごそして、
やっとシルバーパスを出しました。
あせりつつ、残りの乗客をさばいて、
やっと出発。
と、狭い道に入った途端、
目の前におじいさんが・・・。
このおじいさん、
後ろのバスにまったく気づかない様子で、
道端によけることもせず、
バスの前をゆっくりゆっくり歩行中。
若い人だったらクラクションをならすんでしょうが、
なんとなく気が引けたんでしょう。
じりっじりっと後ろをついて、
まさに我慢大会。
そして、やっと広い道に出て、
さあっ、
と走り出したとたん、
今度は対向車線から、突然バイクが飛び出して、
キキキキキーーーッ、
「危険回避のため急ブレーキをかけました。
申し訳ございません」
と、お詫びのアナウンスがあったあと、
低ーい、うなるような声で、
「あ”ぁぁぁぁぁぁ」
と、マイクを通して、深いため息。
だよね~(笑)
本当にお疲れ様でした。
短い時間だけど、運転手さんのご苦労、
よーくわかりましたよ
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