東京都江東区。

江戸三大祭の一つ・深川八幡祭りで有名な富岡八幡宮 の門前町・門前仲町を中心とした江戸期の香りが色濃く残す深川エリア。

学問の神様・菅原道真公を祀る亀戸天神社の知名度は全国区。サンストリート閉館は周辺住人にどん底の哀しみを背負わせるも、多国籍な賑わいに一寸の迷いなき亀戸を中心とした城東エリア。

新木場・東雲・お台場をつなぐシャレオツりんかい線。はよなんとかせい!の新市場もなんのその、超高級マンション立ち並ぶ豊洲やお台場と真逆な、昭和のオイニーがプンプンする団地群が印象的な辰巳を含む臨海エリア。

隅田川と荒川の間に広がる下町デルタに、古きも新しきも、様相の異なる3つのエリアが仲良く(?)共存する人口約50万6千、23区東部の水運に恵まれた下町。
e2f81e0d-s
(メジャー河川とクロス。小名木川や水路がスイスイ走る水彩都市!!)
image
(趣ある商店街もバッチリあるで!大島中央銀座・ひよこ前より)

2011年。
駄菓子屋の貴重な存在意義に気付き、駄菓子屋探しと駄菓子屋ブログをスタートさせた時、筆者が住んでいたのがここ江東区・深川であり、言わば駄菓子屋研究家・土橋真の故郷とも言える地区です。

平成も四半世紀・・
どころか、もうじき幕を閉じてしまうって時代にも関わらず、義理人情や商店街・江戸っ子スピリッツは健在!
そして、昔の比べてかなり少なくなってしまったとは言え、素敵な駄菓子屋も健在!!

都営新宿線「大島」駅より歩いてすぐ、大島中央銀座内にあり、一際眩い輝きと子供達の笑顔に溢れる駄菓子屋ひよこ 過去記事 もその一つです。
image
(素敵な佇まいに思わずホッコリ。子供も大人も皆あいさつしてるぞ!)
image
(おばちゃんの親戚の女性プレゼンツの絵。プ・・・プロですか??)

初めて訪れたのが2011年10月だったから、もう6年も前になるのか・・・・

昭和52年(1977年)創業、今年(2017年現在)で40歳になる「ひよこ」に久しぶりに訪れた今年39歳の筆者(笑)。

通りすがる近隣住人達も、買い物に来る子供達も、引率しているママさん達も。
みんな、おばちゃんと笑顔で挨拶をしては楽しそうに世間話をしていて・・・

「ひよこ」が醸し出す温かで優しい「三丁目の夕日」感に衝撃を受けた6年前と同じ光景が今も繰り広げられていて、安堵すると共に、少しウルッとしました。

おばちゃん。
40年の永きに渡り、このすばらしいお店と人間関係を守り続けて来てくれたのですね。
スゴイの一言に尽きます・・・
image
(充実のラインナップを誇る駄菓子に駄玩具達。やっぱりスゴイわ!)
image
(駄菓子も見事に収納。モノ・ヒト・思い出、全てがプライスレス!)

今回は、「ひよこ」店内撮影+おばちゃんインタビュー(筆者との雑談形式で)を取材する為、とある取材で記者さんと同行したのですが、改めて気付かされる事、感銘を受ける事ばかりで・・・・
毎日新聞「小さな社交場 駄菓子屋へ」 )

店名の「ひよこ」の由来。
それは創業当時、近所の幼稚園の子供達が「ひよこ」の様に可愛いらしく、そのまま店名にしたとの事。
いい話ですねぇ~。

おばちゃんも創業当時は、ネーミングの由来となった文字通り「ひよっこ」達が、社会に巣立っていき、自分達の巣で育てた新たな「ひよこ」を連れてくる様になんて、思いもしなかったかもしれませんね。

「昔通ってた子が自分の子供を、早い子なんかは孫も連れてきてくれる(笑)。子供の顔を見れば親の顔も浮かんでくるし。だから親があそこ(すぐ近所にある)小学校出身の子供は悪さしない。だって私が親知ってるし、ね(笑)。」

おばちゃんからしたら、「ひよこ」に通って大きくなった子みんなが「我が子・我が孫」みたいな感じなのでしょう。

優しい笑みを浮かべながら話す姿が印象的でした。
image
(変わらぬ笑顔とスタンス。そして変わらぬ大島のビッグマザーの温もり)

「ここまでやってこれたのも、毎日買いに来てくれる子供達やご近所さんはもちろん、家族の協力あっての事だと思っています。夫は自身の仕事が忙しい中、子育ての手伝いや大いなる理解をもってくれているし、娘達もそう。買出し手伝ってくれたり、そばでいつもサポートしてくれます。毎日の様に顔を合わす孫の存在なんて、大きすぎて・・・(笑)。いつも皆には感謝してます!!」

何代にも渡り、地域の子供達を時に厳しく、そして優しく包み込む、おばちゃんの根底を支えているのが御家族の存在と協力だったと分かり、とても感動しました。

「土橋さん。うちの様な駄菓子屋をいっぱい巡って、しかも理解までしてくれて・・・本当に心強い、ありがとうね。」と、去り際に筆者を労ってそう言ってくれたおばちゃん。

駄菓子屋を巡ってて本当に良かった・・・
心の底からそう思うと共に、今度我が家の2人の「ひよっこ」を連れて大島のビックマザーに会いに行こうと思います!

皆さんも「ひよっこ」だった頃を思い出しに、「ひよこ」に行かれてみてはいかがでしょうか!!

駄菓子屋「ひよこ」アクセス
都営新宿線「大島駅」 徒歩5分
東京都江東区大島5-3-3