放送は見てません。
【棋譜でーたべーす】
第65回NHK杯2回戦第12局 阿部健治郎-渡辺明
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先手:阿部健治郎
後手:渡辺明
▲2六歩 △8四歩 ▲7六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀 ▲3八銀 △7二銀
▲4六歩 △3三銀 ▲4七銀 △4二玉 ▲7八金 △8三銀(下図)
先手が9筋の端歩を省略し、▲4六歩~▲4七銀を急いだ事が、
後手棒銀発動の引き金になったと思われる。
▲3六歩▲3七銀型の方が棒銀を受けやすいのだけど、
端歩を省略すると、中央の駒組みが早く確定する意味もある。
端歩の省略合戦は現在流行中。
Strategyとしては、序盤の因果が複雑に絡む方が楽しい。
(理解するのが大変になっていくが・・・)
上図以下
▲3六歩 △8四銀 ▲9六歩 △3二金(下図)
▲3五歩△同 歩▲4五角の防ぎ。
4七の銀が浮いている内は△7四角で切り返せるけど。
△3二金と△5二金右の比較は難しい。
将来、▲6八飛から6筋を攻められる展開では、
△5二金右の方が良い、という事もある。
上図以下
▲6六歩 △7四歩 ▲5六銀 △7五歩 ▲5八金 △7六歩
▲同 銀 △7三銀 ▲6七金右 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲8七歩 △8二飛(下図)
この辺りは前例もいくつか。
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参考棋譜:
小野(修)-中田宏戦
・勝浦-羽生戦
・羽生-中田宏戦
・中原-高橋戦
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こうして過去の例を並べてみると、
上図がやや旧式な陣形である事が分かる。
研究家の阿部五段の事だから、
昔の形に鉱脈を見出したのだろう。
実際、勝率も悪くないようだ。
もっとも、この受け方自体は、
△一手損角換わり 対 ▲棒銀の時でもあったので、
それに比べれば2手得してるんですよね。
時代背景によって評価が上がった形、と言えるかも。
(飛車先歩交換の価値が今より高く見積もられていたのかな)
ここまでの流れをまとめると、
渡辺先生
「▲4六歩~▲4七銀が早いけど棒銀対策は大丈夫?」
阿部先生
「旧式だけど、良い対策があるんです」
という感じか。
上図以下
▲6八玉 △3一玉 ▲7五歩 △2二玉 ▲7七桂 △5四歩
▲6五歩 △6四歩 ▲6三角(下図)
△6四歩 ▲6三角で馬を作らせるのでは辛いと思う。
先手には指したい手が多く、黙っていては悪くなるのかもしれないが、
こう指さないといけないのなら先手が上手くやっていると見て良さそうだ。
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