奨励会三段との練習対局を簡単に振り返り。
私が先手。モチーフは豊島-佐藤天戦。
参考記事:
本日の中継 第86期棋聖戦挑戦者決定戦 ▲豊島将之七段-△佐藤天彦八段 昼休時
第86期棋聖戦挑戦者決定戦 ▲豊島将之七段-△佐藤天彦八段 挑戦者は豊島七段
▲4九金型がささやかな工夫。
1年前に上記記事を書いた時に、あるかな?と思っていた。
・・・が、20秒将棋だったため、
具体的な研究内容を思い出す時間が無かった。
研究は好きだけど、結論が知りたいというだけなので、
調べ終わると忘れてしまう事が多い。
勝つ事に執着心があれば覚えているのだろうけど、
正直、勝つために努力するのは苦手なのだ。
とは言え、折角の研究を無駄にするのもアホすぎるので、
今度こそ忘れないために、当時の研究を記しておく。
上図以下
△7三角 ▲3五歩 △同 歩 ▲同 銀 △6五歩(下図)
3筋からの仕掛けを見せれば、
△7三角~△6五歩の反撃は当然。
相手の奨励会員は「力戦になった」と思ったらしいが、
かなり必然性が高い手順なので、自分の中では定跡化していた。
上図以下▲3四歩(下図)
ここは△2二銀が正着。
以下▲4六銀△5四銀でどうするかだけど、
▲6七銀と足しておくか▲6八飛とぶん回すか。
気分は後者だけど、リスクも高い形。
△2二銀は壁銀になるので指しにくいけど、
先手も▲4九金が立ち遅れているのでー・・・
上図以下
△4四銀 ▲同 銀 △同 歩(下図)
気分はこうですよね。
しかしまぁ、これには準備があったんですよ。
上図以下
▲6五歩 △1九角成 ▲4四角(下図)
香車をボロッと取らせるので、
観戦者には「何してるの?」と思われたようだが、
実は自慢の手順だったりする。
△2二銀には▲3三銀と打ち込んで受けにくいので・・・
上図以下△2九馬(下図)
△2九馬はこう指すところですかね。
でも、この時に飛車にヒモを付けてるのが4九金型の狙いでした。
桂香得なら後手良しと即断しそうですが、
私は先手有利と読んでいました。
上図では▲3三歩成も有力でした。
△同 桂▲同 飛成△同 金▲同角成△3二歩で分かりませんでしたが、
▲5五馬と引いておけば、玉形差でまずまずだったかもしれません。
▲5八金右と締まる手が△5七桂と△4七馬を消して味が良いので。
上図以下
▲1一角成 △5七桂(下図)
しかし、記憶では▲1一角成が正解だったはずなので、
実戦でもそう指しました。
その記憶は正しかったんだけど、
△5七桂への応接を忘れていたのがアホでした。
本譜は▲2一馬で、それでも悪くないんだけど、
極端に玉が薄くなるので、終盤で食らいやすい形になってしまいました。
次の手は研究時に盤上この一手と思っていたんですが、
どんな手だか分かりますか?
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正解は▲6八飛です(下図)
これで先手が有利だと思います。
次に▲5八金右△6九桂成▲同 飛となるとダメですし、
△4九桂成▲2一馬も先手玉が堅すぎます。
▲6八飛の効果で▲6四歩が鬼なのも自慢ですね。
だから、△6九桂成だと思うけど、▲同 飛で下図。
△4七馬は▲4八香があるので不成立。
▲6八飛は馬を封じ込める意味もある訳です。
上図は先手金損ですが、
△2九馬・△8二飛が働きを失っているので、
余りある戦果を先手は挙げています。
上図から▲5八金も味良しなので、
絡んでくるなら△6八歩ですが、▲同 飛で下図。
△5七金は▲6六飛で大した攻めにならないので、
△5七銀▲6七飛△4七馬だと思いますが、
▲5九香や▲6六銀で催促して先手が指せる分かれでしょう。
・・・しかし、1年前の研究とは言え、
こういう重要な変化を忘れるようでは失格ですね。
しかも、研究通りだからと言ってバシバシ指して、
問題の局面で思い出す時間が足りないとか、頭が悪いです。
20秒将棋で何を言っても、という気もしますがね。