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買い出しの途上でまた寄り道。

冬の空高く、ゴーと不気味な風音が木霊している。

いつもは老人たちが真っ先に狙うはずのピンの旗もパタパタと虚しさにたなびいていた。

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水面に浮かぶ水鳥たちもさすがに今日は寒さに耐えるように寄り添ったまま動かない。

誰もいない池の畔。

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いつもなら休憩中の働き人や仲の良い年配夫婦がそれぞれに憩う場所。

それを眺めながら平和な気持ちになるのだけど、この刹那、真冬になっても落ち外れた枝にしがみつく一葉の気分。

遠い空から少しずつ青空が拡がりはじめた。

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そんな風に心象風景も移りゆく。

留まることを知らないこの世界は、変わりゆくことを当然のように強制する。

人も同じ。
変われないことを容赦なく責める。
おかしいと。

時間が悲しみを解きほぐしてくれるという。
でも、きっとそれは間違っている。
空と大地、東西南北、不可逆な時の流れにこの魂。

5次元に進むには、あまりにも荷が重すぎる。
縦に貫く軸が欲しいだけ。

金もプライドも、優しい言葉や慰みさえ、もう何もいらないだろう。
見ない聞こえないふりをして、ただ見つめるのはその一点。

今太陽を横切った鳥のように。

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