タカハシユミコ布絵展(パンフレット)
29布絵展パンフ 































4月12日、花に誘われフラフラと彷徨い出て、気がつけば高知県
香美市の香美市立美術館に来ていた。

ちょうど「タカハシユミコ布絵展」が開催中。
会場には30号大の作品が約50点展示され、何やらほのぼのと暖か
く、春の香気が満ちていた。

上品で美しい色彩の布が織りなすハーモニー。愛らしい子供や動
物、鳥や昆虫が画面の中で好き勝手に遊んでいる。花が咲き、風
がそよぎ、季節が移ろい、月が輝き星が光る。

壮大で可憐な自然賛歌が、そこにはあった。

 メルヘンあふれる香美市立美術館の会場
布絵展会場2













タカハシユミコさんは高知県出身。1948年高知市に生まれ、女子
美術大学を卒業したあと、布による作品を制作するようになった。

作家の感性に触れる布を探し出し、絵具が布に、絵筆が針となっ
て「布絵」が誕生した。

それぞれの色の調和を大切に手縫いされた作品は、絵具では表現
できない立体的なふくらみのある布絵となり、従来の手芸の枠を
越えた品格のある美しさを見せている。

エレガントで華やかな作品に引き寄せられ、近づいてよく見ると
使っている古布にはそれぞれ地模様があり、肌合いが異なる。

その特徴を生かして自由自在に使いこなしている作家は、類まれ
なるセンスと技術の持ち主と推察した。

もう一つ感心したのは、デッサン力の確かさ。
登場する子供や動物たちの動きは軽やかで、単純化されたフォル
ムは軽妙洒脱。有名な鳥獣戯画を彷彿させるといえばほめ過ぎか。

4月に入ると各地の美術館や画廊で様々な展覧会が催されている。
知らずに入って、このような佳品にお目にかかると、大いに得し
た気分である。

タカハシさん、ありがとう!

 タカハシさんの作品4点。画面構成と配色が実に美しい
29布絵作品4点



































 様々な動物、鳥や昆虫が無心に遊ぶ作品群
29布絵展作品6



















 美術館は八王子宮の参道沿いにあり、ちょうど桜が満開
29香美神社桜