その昔。

テレビの映画番組って、解説の人がついていた。

それは。

淀川長治さんだったり。

水野晴郎さんだったり。

荻昌弘さんだった。

この3人。

映画の魅力を上手に伝えてくれる素敵な解説者だった。

そう言えば最近。

テレビで放映する映画の番組でこうした解説者が語るというシステムが見られなくなった。

理由はなぜだかわからないけど、映画解説者の語りのファンだったボクとしては、ちょっとサミシイ。




「さよなら さよなら さよなら」や。

「いやぁ~っ。映画って本当にすばらしいものですね」の決まり文句とともに語られた彼らの映画への熱い思いはあの頃、ボクら視聴者にヒシヒシと伝わった。

2時間の映画を見終わった後の解説を聴く中でまた、その映画の別の意味でのよさや味わいを知ることができる。

それはとてもよい時間だった。

ところで水野晴郎さんの、「映画って本当に素晴らしいものですね」の決まり文句には、3段階の評価の違いが込められていたという話を聴いたことがある。

「映画って本当にすばらしいものですね」

「映画って本当に良いものですね」

「映画って本当におもしろいものですね」この3つのパターンの中に、水野さんの映画に対する評価が実は含まれていた。そんな話。

皆さんは聴いたことがあるかな(ごめんね。真偽のほどは保障できません・・・)。


映画評論家。

皆ダンディーだった。あの頃、映画を楽しむ行為って文化的な香りを伴っていたから。

映画を楽しむ素敵な紳士。

ボクもそうなりたいなぁって若い頃、ずっとずっと思ってた。