もしも「二人だけの世界」が現実にあったら、こわいしいやだ。
だって、相手の人と意見が合わなかったら地獄だから。
例えばカンガルーが大好きで、いつの日かカンガルーとボクシングをして親交を深めたいと願うワイルドなボクと。
ショパンが大好きで、雨音がショパンのピアノの音に聞こえてしまうロマンチストな女の子が二人だけの世界を構築したらきっと、世界は修復不可能な状況に陥ってしまう。
世界は災いに溢れ。
やがて大洪水がやってくる。ボクはカンガルーを。
彼女はピアノを慌てて箱舟に運び込むけど、それだけではむろん足りない。
そこにカバやサルやゾウまでもが乗り込んでくる。
右往左往するカッパとピアニスト。だから。
二人だけの世界はどうしても阻止しなければならないのだ。それは正当なロジックだ。
じゃぁ。三角ならいいのか、となるとこれまた話が変わる。
男女3人によって構成される複雑な人間関係、三角は。
感情の縺れ合いが憎悪に発展し、抜き差しならぬ状況を巻き起こす可能性すら含んでいる。それは、トロイ戦争を見ればわかる。つまり、二人だけの世界と同じくらい、三角にも大きな箱舟が必要なのだ。
で。
でである。ボクらはどうすればしゃーわせなのかというとそれは一言で言い表すことは難しいけど、ある意味究極なことを言えば、一人の無人島がいいのかもしれないってボクは思う。
今は全く打たなくなってしまったけど。
かつてパチンコ屋さんで過ごした時間はそうした無人島に似た、一人っきりの贅沢でエレガントでシックなひと時であった。