フィルター・バブルってご存知ですか?

ナショナルジオグラフィックの「科学を疑う」という記事の中に、その言葉がありました。

科学は、理性に訴えかけるが
人間が何を信じるかは、感情に左右される
その感情の中で強いのが、仲間意識だという。
集団の価値観や意見は常に科学を打ち負かすのだそうだ。

そういう特質を持つ人間が、インターネットを使うと
自分好みの都合のいい情報だけをフィルターを通して提供してくれる
「フィルターバブル」という世界を作り出すという。

6年前、私は「フィルター・バブル」の世界をさまよっていた。

2009年3月2日 人間ドックのマンモグラフィ検査の時「しこりがありますね」と指摘
3月3日 超音波検査の結果、細胞診のはずが、針精検による組織診に代わり「乳がんだ」と自覚

あれよあれよという間に、手術の日が決まる
術後の病理診断で、もう一度、手術をすることに
そして放射線治療が5週間と追加照射でもう一週間

手術に関しては「えいっ、まな板の上の鯉だ」と言っていた私も
放射線治療に関しては、不安が多く、ネットで情報を集めまくっていた。

その情報は、なぜか、放射線治療の副作用ばかり
火傷のすごくひどい状態で・・・ただれたり・・・
そうなったら、どうしよう・・・
不安が一杯の中で、治療期間が過ぎていった。

が、幸い特にひどい皮膚障害がでることはなかった。

ネットで情報を集めているときは
「全員に皮膚障害がでるんだ」などと思ったのに
なんか、拍子抜けした感があったのを覚えている。

あの時「フィルター・バブル」という言葉は知らなかったが
不安や恐怖という感情のもと、ネット検索するこわさを知ったような気がした。

世の中を見る時は、すべて「自分」というフィルターを通しているのだろう。
そのフィルターが、ネット検索では、とても”とんがった”フィルターになってしまうのかもしれない。
とんがったフィルターからは、ごくごく視野の狭い世界しか覗くことができないのだろう。