国に依存しない人生を作る(2) | 香港IFA玉利の海外投資夜話

国に依存しない人生を作る(2)

ごく一部では
能力のある若い人材を
正当評価して抜擢登用するところもあるが
平均的に見れば日本の企業や役所は
年功序列での出世習慣が色濃く残っている。

一方、
日本経済は成熟期に入っており
多くの企業では業績の急速な拡大が見込めない中で
限られた役職を年功序列の順送りで引き継ぐ。

だが順番を待っている人は多く、
若い社員はなかなか出世ができない。


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出世ができなければ所得も増えにくい。

生殖力のある若年層は
低収入で子供を育てにくい状況なのだ。

高齢者と子供(あるいは子供を持つ若い親)は
社会福祉予算を巡って利害が対立する関係でもある。

どちらも
国の保護が必要な
社会的な弱者である。

限られた社会福祉予算を
自分たちのために使って欲しい
と思っている。

高齢者は
自分たちの老後の生活や医療を
もっと充実させてもらいたいと考えているし、
子供を持つ親は教育や子供を育てやすい環境を
整備してもらいたいと考えている。

日本は民主主義国家であるから、
選挙などでは多数の意見が通りやすい。

少子高齢化で人数が多く、
投票率も高い高齢者に寄り添った
政策が採られがちになる。

こうして
少子化対策は遅々として進まず、
日本の未来への不安は払拭されない。

だからと言って、
もちろん高齢者を
責めることはできない。

彼らとて自分の生活が一番大事である。

少子化により
国が衰退するかもしれないということを
喜んでいる人はいないだろう。

だが、
死んだあとの国の将来よりも
自分の残りの生涯の方を優先させるのは
人間ならば当たり前のことだ。

芥川龍之介の
「蜘蛛の糸」に出てくるカンダタも
おそらく自分が極楽へ到着したあとなら
他の罪人たちが蜘蛛の糸を使って
昇ってきても構わなかったのではないだろうか?

カンダタは正しい。

でもカンダタは悲しい。

カンダタのようにならないためには
まだ間に合ううちに地獄に落ちない方法を
懸命に考えて行動しなければならない。


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